年金時代

香取 照幸(かとり てるゆき)/駐アゼルバイジャン日本国特命全権大使

第35回 「主体的に行動し、発言する―28歳の勇気」

本稿は外務省とも在アゼルバイジャン日本国大使館とも一切関係がありません。全て筆者個人の意見を筆者個人の責任で書いているものです。内容についてのご意見・照会等は全て編集部経由で筆者個人にお寄せ下さい。どうぞよろしくお願いします。

皆さんこんにちは。
前回の続きの前にちょっと気になる話題があったので、今回・次回とちょっと寄り道をしてそちらを先に紹介することにします。すみません。

若い方なら誰でも知っている世界的ポップスター、テイラー・スウィフト(Taylor Swift)さんが自身のインスタグラムに自らの政治信念について投稿し、話題になっています。

https://www.instagram.com/p/BopoXpYnCes/?utm_source=ig_embed

2010年に史上最年少でグラミー賞(最優秀アルバム賞)を獲得している彼女は今年28歳、11月には3年ぶりの日本公演も予定されています。
欧米、特にアメリカでは多くのスポーツ選手や俳優、アーティストが積極的に自らの政治信念や政治的意見を表明し、その信念に基づく行動をしていますが、これまで彼女は政治について語ることがなく、その多彩な音楽活動との対比で「政治に無関心なスター」として有名でしたので、今回の投稿には私もちょっと驚きましたし、ネットの世界だけでなく大手メディア(CNN・BBC・France24等)でも取り上げられ、大きな反響を呼んでいます。
10月8日にアップされた投稿には数時間で100万以上、この原稿を書いている時点で200万以上の「いいね」が集まっています。

投稿の中で彼女はこう言っています。
「私はこれまでも常に、この国で誰もが持つに値すると私が考えている人権を守り、そのために闘ってくれる候補者に投票してきたし、そしてこれからもそうするつもりです(I always have and always will cast my vote based on which candidate will protect and fight for the human rights I believe we all deserve in this country.)。」
「私はLGBTQ(性的少数者)の権利のための闘いを信じているし、性的指向や性に基づいた差別はどのような形でも間違っていると確信しています。この国でいまだに目にする有色人種への組織的な人種差別は、恐ろしく、不快で、しかも広く存在しているのです(I believe in the fight for LGBTQ rights, and that any form of discrimination based on sexual orientation or gender is WRONG. I believe that the systemic racism we still see in this country towards people of color is terrifying, sickening and prevalent.)。」
「私は、肌の色や性別、彼らが誰を愛しているかにかかわらず全ての米国人の尊厳のために闘おうという意思がない人には投票できません(I cannot vote for someone who will not be willing to fight for dignity for ALL Americans, no matter their skin color, gender or who they love.)。」

その上で、来る下院中間選挙について、具体的な候補者名を挙げて「人権を守るために戦う候補者に投票します。」と決意を述べています。

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香取 照幸(かとり てるゆき)/駐アゼルバイジャン日本国特命全権大使
東京都出身。1980年東京大学法学部卒業後、厚生省入省。在フランスOECD事務局研究員、年金局年金課年金制度調整専門官、埼玉県生活福祉部老人福祉課長、厚生省大臣官房政策課企画官(高齢者介護対策本部事務局次長)、厚生労働省政策統括官(社会保障担当)・内閣官房内閣審議官(社会保障・税一体改革担当)併任、年金局長、雇用均等・児童家庭局長などを経て2016年6月辞職。2017年3月より現職。著書に『教養としての社会保障』(東洋経済新報社)
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