年金時代

長沼 明(ながぬま・あきら)/浦和大学客員教授・前埼玉県志木市長

年金と住民税の関係

-課税か非課税か、それが問題だ!-

年金は難しいが、税金も難しい。

その年金と税金を併せ論じようというのだから、なお難しい。年金に老齢年金、障がい年金、遺族年金があるように、税金には課税所得と非課税所得、所得税と住民税がある。

そして、住民税の非課税を一つの要件に、年金生活者支援給付金を支給するという制度が10月から始まる。老齢・障がい・遺族の基礎年金の支給を土台として、低所得者に給付金を支給するというものだが、この「年金給付金」というのは年金ではないというのだから、実に、ややこしい。

さて、住民税の非課税世帯というのは、日本の社会保障制度では低所得者である。低所得者に対する施策を考えるということは、日本の税制と年金制度を知らなければ有効な施策が実施できない、ということでもある。

ところで、非課税所得はいくらもらっても、所得はゼロである。障がい年金・遺族年金は非課税所得である。

では、課税所得にはどんなものがあるのか。

市長のときに学んだ、住民税の書籍を改めて紐解くと、所得には次のように10種類がある(【図表1】参照)。

年金は、雑所得に区分される。

老齢基礎年金・老齢厚生年金・退職共済年金などを受給する人は、同じ金額を受給しているのであれば、日本のどこで生活をしていても、住民税は一律に非課税となるのか?

年金受給から住民税の非課税まで、どう計算していくのか?

今回は、年金と住民税の関係について、基本的な事項に絞って述べていきたい。

 

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長沼 明(ながぬま・あきら)/浦和大学客員教授・前埼玉県志木市長
地方公務員を中心に共済組合等の年金に関する第一人者。埼玉県志木市長を2期8年務め、市長在任中に日本年金機構設立委員会委員、社会保障審議会日本年金機構評価部会委員、日本年金機構のシンボルマークの選考委員を歴任。著書に『年金一元化で厚生年金と共済年金はどうなる?』(年金・福祉推進協議会)などがある。
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