年金時代

三宅 明彦(みやけ あきひこ)/社会保険労務士

外国人の社会保険被扶養者問題と企業における外国人労働者の実務対応

外国人の社会保険被扶養者問題が昨今、話題になりましたが、その対応はどうなったのでしょうか。合わせて、企業に外国人労働者がいた場合の実務対応について、考えてみたいと思います。

1外国人の社会保険被扶養者問題

昨今、技能実習生を含む外国人労働者が来日して働く機会が増えています。出入国管理法の改正により、今後は30万人以上の外国人労働者が日本で働くことになりそうです。こうしたなか、社会保険の適用、特に健康保険の被扶養者及び国民年金の第3号被保険者の取り扱いについて、不備が指摘されていました。

社会保険の適用は、「適用事業所に使用される者」となっていますので、日本人であるか外国人であるかの区別はしていません。外国人労働者であっても適用事業所で一定の労働時間(正社員の3/4以上・特定適用事業所では1週間に20時間以上)を超える場合には加入します。

これに関しては問題ないのですが、健康保険の被扶養者及び国民年金の第3号被保険者について問題が発生することが懸念されます。

まず、健康保険の被扶養者については、被扶養者の年収が130万円未満で被保険者の収入の1/2未満であれば認められます。範囲は3親等以内の親族です。なお、1親等は原則、生計維持が要件になっていますが、2親等・3親等は生計維持のみが要件の場合と同居を伴うことが要件になっている場合があります。

最近の問題として、外国人労働者が海外にいる配偶者や子、親を被扶養者にし、その人が日本に来て、高額な医療を3割負担で受け、日本の医療保険制度に影響を与えるのではないか、との危惧がありました。

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三宅 明彦(みやけ あきひこ)/社会保険労務士
東京都社会保険労務士会所属。 金融機関等での豊富な年金相談経験をもつ。多数の年金セミナー・年金研修等の講師を務める。現在、東京都社会保険労務士会の年金講座講師。著書多数。『年金マニュアルシート』(社会保険研究所)は約50万部の大ヒット。マニュアルシート・シリーズの最新版『10年短縮年金マニュアルシート』も好評。
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