年金時代

香取 照幸(かとり てるゆき)/駐アゼルバイジャン日本国特命全権大使

第53回 管理職にこそ必要な「働き方改革」

本稿は外務省とも在アゼルバイジャン日本国大使館とも一切関係がありません。全て筆者個人の意見を筆者個人の責任で書いているものです。内容についてのご意見・照会等は全て編集部経由で筆者個人にお寄せ下さい。どうぞよろしくお願いします。

Emotional Intelligenceとは?

みなさんこんにちは。
この連載の中で、これまで折に触れて「感性―共感する力」についてお話をしてきました。
行政官として現場を知るために必要な資質としての「専門知」と「感性」、教養主義復権論の中で述べた、自由な知的営為・創造的実践を支える「理性」と「感性」。

心理学の本を読むと、感性とは「感情を理性に変える力」「人の心の動きを感覚的に理解する力」などと説明されています。
人間はhomo Sapiens (知恵ある人)ですが、同時に「心」を持っています。
「ことば=言語」は人類だけが持つ能力ですが、「心」は霊長類も持っていて、他人の心の動きを知って(感じて)行動する、という能力は霊長類段階で見ることができるそうです。

最近、「Emotional Intelligence」―感情的知性、あるいは端的に「感性」と訳せばいいでしょうか―に関する論考を読む機会がありました。
リーダー(管理職―人を管理し指導する立場にある人たち)にとって必要な資質として論じられているものです。

曰く、優秀なリーダーになるためには、知性の高さや専門知識があるだけではダメで、自分や他者の感情や心の有り様を「理性的」に理解し、それに沿って行動できる能力が必要、という議論です。
今回は、この「感性」について、少し別の角度から考えてみたいと思います。

次ページ:Emotional Intelligenceの5つの要素

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香取 照幸(かとり てるゆき)/駐アゼルバイジャン日本国特命全権大使
東京都出身。1980年東京大学法学部卒業後、厚生省入省。在フランスOECD事務局研究員、年金局年金課年金制度調整専門官、埼玉県生活福祉部老人福祉課長、厚生省大臣官房政策課企画官(高齢者介護対策本部事務局次長)、厚生労働省政策統括官(社会保障担当)・内閣官房内閣審議官(社会保障・税一体改革担当)併任、年金局長、雇用均等・児童家庭局長などを経て2016年6月辞職。2017年3月より現職。著書に『教養としての社会保障』(東洋経済新報社)
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