年金時代

香取 照幸(かとり てるゆき)/駐アゼルバイジャン日本国特命全権大使

第58回 行動経済学と医療(下)

本稿は外務省とも在アゼルバイジャン日本国大使館とも一切関係がありません。全て筆者個人の意見を筆者個人の責任で書いているものです。内容についてのご意見・照会等は全て編集部経由で筆者個人にお寄せ下さい。どうぞよろしくお願いします。

(承前)

みなさんこんにちは。

前回の連載で、最近、医療界のみならず世の中に旋風を巻き起こしている「行動経済学」、今や霞が関の政策形成にも影響を及ぼしている「ナッジ」について紹介しました。
その上で、昨今の「行動経済学」ブームについて、私は二つの点で違和感というか懸念を覚えている、ということをお話ししました。

今回は、私が覚えている「違和感」についてお話しします

念のためあらかじめお話ししておくと、私は経済学部卒でもありませんし経済学の専門家でもありません。以下でお話しする内容は、医療の世界と行動経済学との関係を考えるため、私なりにこの学問について勉強して得た私の知見に基づいたものです。読者の中にはこの分野の専門の方もおられるでしょうから、私の理解に思い違いや間違い、足りないところがあるようでしたら是非ご教示いただければと思います。

 

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香取 照幸(かとり てるゆき)/駐アゼルバイジャン日本国特命全権大使
東京都出身。1980年東京大学法学部卒業後、厚生省入省。在フランスOECD事務局研究員、年金局年金課年金制度調整専門官、埼玉県生活福祉部老人福祉課長、厚生省大臣官房政策課企画官(高齢者介護対策本部事務局次長)、厚生労働省政策統括官(社会保障担当)・内閣官房内閣審議官(社会保障・税一体改革担当)併任、年金局長、雇用均等・児童家庭局長などを経て2016年6月辞職。2017年3月より現職。著書に『教養としての社会保障』(東洋経済新報社)
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