年金時代

長沼 明(ながぬま・あきら)/浦和大学客員教授・前埼玉県志木市長

令和3年度の国民年金保険料は、どのように算出するのか?

~原理がわかれば、自分で計算できる!~

地方公務員共済組合で、一元化に絡み3回目の支給誤り!

小さい記事だったので、見落としている人が多いかもしれません。昨年末の朝日新聞の記事です(2019月年12月27日付朝刊)。

地方公務員共済組合で、在職老齢年金の支給誤りがあり、対象者は8千人近く、影響額は2億円を超えると伝えています。

原因は何かというと…。

地方公務員共済組合連合会のホームページにアクセスすると、次のような理由が記されています。

被用者年金制度一元化に伴う「一部のプログラム誤り」と「データの入力ミス」、ということのようです。過払いと未払いは、当然のことながら、他の実施機関である日本年金機構や私学事業団に及び、その影響額が約2億2千万円になる、ということのようです。けっこう大きな金額です。過払いだった人の影響額は、最高で1人あたり「130万5千円」と記されていますが、どうやって返済していくのでしょうか?

筆者の知る限り、被用者年金制度一元化に伴う地方公務員共済組合の支給誤りは、これが3回目で、1回目の支給誤りは平成28年2月、2回目が平成30年6月、そして今回です。

しかしながら、なぜ3回も同様な理由で支給ミスが続いているのか、その説明についての記載はありません。

また、共済組合が公表する年金の支給ミスというのは、他の実施機関である日本年金機構などが支給する年金に影響を及ぼすものに限定されているように思えるのですが、他に支給ミスはないのでしょうか。

と、ここまで書いていたところ、遺族年金がらみで日本年金機構側に1人あたり最高で「100万2千円」の過払いを生じさせる支給誤りが掲載されました(令和2年3月5日付)。

 

令和3年度の国民年金保険料は、どう算出したのか?

さて、令和2年1月24日(金)に厚生労働省から、令和3年度の国民年金保険料の額がプレスリリースされました。

令和2年度の国民年金保険料ではなく、令和3年度の国民年金の保険料が、なぜ、令和2年の1月の段階でわかるのでしょうか。

今月は、どうやって、令和3年度の国民年金保険料を求めるのか、算出できるのか、に迫っていきたいと思います。

なお、わかりやすく説明していくという観点から、法律の文言どおりに表記していない箇所がありますことを、あらかじめお断りしておきます。

まずは、【図表1】【国民年金保険料を算定するのに必要な指標等】をご覧いただきましょう。

 

 

 

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長沼 明(ながぬま・あきら)/浦和大学客員教授・前埼玉県志木市長
地方公務員を中心に共済組合等の年金に関する第一人者。埼玉県志木市長を2期8年務め、市長在任中に日本年金機構設立委員会委員、社会保障審議会日本年金機構評価部会委員、日本年金機構のシンボルマークの選考委員を歴任。著書に『年金一元化で厚生年金と共済年金はどうなる?』(年金・福祉推進協議会)などがある。
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