年金時代

小野田理恵子(おのだりえこ)/小野田社労士・FPオフィス代表

第2回 生涯収支:「かかるお金」の考え方

「人生100年時代」を安心して暮らすためのヒントを、社労士でありFPでもある小野田理恵子氏が紹介していきます。小野田氏がふだん中小企業向けセカンドライフセミナーで講演している内容をWeb年金時代向けに再構成。連載第2回目は、老後にかかるお金を「ザックリと」把握する方法をご紹介します。ご自身のライフプランの参考のほか、社労士の方には年金相談に役立つ情報提供になればと考えています。

生涯収支の見える化

今回から、65歳から平均余命までの収支をとらえるために、「かかるお金」と「使えるお金」をザックリと把握する方法を見ていきます。

<図表1>について、この左右がトントンか、「使えるお金」のほうが多いようならひと安心ですが、「かかるお金」のほうが多い場合はなんらかの対策が必要になります。このバランスは、自助努力がどのくらい用意できるのかによっても大きく変わってきます。

私はこのように、実にアバウトに生涯収支を総額でとらえる方法をご紹介しています。詳細な試算を希望される方には乱暴すぎると思われるかもしれませんが、シンプルですので、これまで老後資金についてあまり真剣に考えたことがなかった方でも、とっつきやすいと思います。それに、いくらアバウトといえども、このシートを埋めるには少なくとも下記の現状確認をする必要があります。

  • 65歳以降の生活を具体的にイメージし、「かかるお金」を想定する。
  • 公的年金の受給総額を把握する。
  • 勤務先の退職金制度や企業年金について、有無や金額を確認する。また転職歴がある場合は、以前の勤務先の制度から将来受け取れるものがないかを確認する。
  • 自助努力で備えている金融資産等を棚卸しする。

なお、このシートの完成が目的なのではなく、「見える化」によってなんらかの気づきが得られ、次の行動につながることが重要です。たとえば厳しい結果になってしまったら「かかるお金」について再考する必要がありますし、反対に「使えるお金」に余裕があるようなら、夢の実現などにお金を使う余地も出てきます。

ということで、まずはこのシートを埋めることがその先の対策のスタートになりますので、ここからは具体的な考え方や試算のしかたをご案内します。

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小野田理恵子(おのだりえこ)/小野田社労士・FPオフィス代表
会計事務所で事務をとる傍ら、2003年に社労士資格を取得。開業社労士としての実務に携わるとともに、年金事務所で5年ほど相談員を経験。またFPとして、大手企業、労働組合、公的機関、各種団体等で、セカンドライフセミナーを中心としてさまざまなテーマでの講演を行っている。特定社会保険労務士、CFP®、高度年金・将来設計コンサルタント。
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