年金時代

三宅 明彦(みやけ あきひこ)/社会保険労務士

再審査請求でようやく年金時効特例法が適用

94歳の無年金女性に28年分の年金が支給された事例

「消えた年金記録」問題は終わっていない

「消えた年金記録」問題から10年以上が経過しました。次の年金制度改正への準備が進む中、この問題に対する世の中の関心も薄れつつあるように思います。しかし、現在も基礎年金番号に統合されていない年金記録が見つかることがあります。

年金記録の訂正により発生した年金は、時効特例法により時効消滅しないことになっていますが、今回ご紹介する事例は、年金記録が新たに見つかり年金請求したにも関わらず、5年を経過した分が時効消滅となりました。この決定に対する審査請求は棄却され、再審査請求を行った結果、ようやく時効特例法が適用されて当初の5年分に加え、約28年分の年金が支給されました。

年金決定や審査請求決定の際に、なぜ、時効特例法が適用されなかったのでしょうか。その理由について、解説していきます。最後に実際の書類も掲載しますので、年金実務に携わる皆さんの参考にしていただければと思います。

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三宅 明彦(みやけ あきひこ)/社会保険労務士
東京都社会保険労務士会所属。 金融機関等での豊富な年金相談経験をもつ。多数の年金セミナー・年金研修等の講師を務める。現在、東京都社会保険労務士会の年金講座講師。著書多数。『年金マニュアルシート』(社会保険研究所)は約50万部の大ヒット。そのほか『10年短縮年金マニュアルシート』も好評。
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