年金時代

小野田理恵子(おのだりえこ)/小野田社労士・FPオフィス代表

第4回 退職金・企業年金制度の現状

「人生100年時代」を安心して暮らすヒントを、社労士でありFPでもある小野田理恵子氏が紹介します。小野田氏がふだん中小企業等でのセカンドライフセミナーで講演している内容をWeb年金時代向けに再構成。連載第4回目は、ちょっとリアルな退職金・企業年金事情に迫ります。ご自身のライフプランの参考のほか、社労士の方には年金相談に役立つ情報提供になればと考えています。

一筋縄ではいかない「退職一時金」の確認

毎回おなじみとなった<図表1>「生涯収支の見える化シート」ですが、右側の(使えるお金)で、私が退職金と自助努力の金額をまとめてひとつの枠で表しているのには、理由があります。

実は、大手企業でのセカンドライフセミナーでは多くの場合、退職金・企業年金等がいくら見込めるのか、あらかじめ人事部や企業年金基金から参加者の個別情報が提供されるので、それをもとに自助努力の必要額を把握することが容易です。

一方中小企業では、退職金・企業年金等の制度の有無自体も、制度がある場合の種類や見込額も千差万別ですし、制度や金額について従業員にわかりやすくなっているかどうかも会社ごとに違います。また一般市民向けの講座には、自営業者、パート勤務の方、求職中の方などいろいろな立場の方が参加されるため、どちらでも、「公的年金の次は退職金等の見込額を記入しましょう!」という展開にはしづらいのです。

それでこのように、(使えるお金)から公的年金の概算額を引いた金額を求め、後は個別に退職金等について確認して自助努力の金額を把握していただくようにご案内している次第です。

なお、このコラムでは65歳以降の収支をとらえる前提ですので、退職金を60歳で受け取った場合、65歳まで使わずに置いておける予定の金額のみを試算に入れることになります。

だれの上にもある公的年金の上乗せ制度

上記のようなわけで、セミナーでは退職一時金についてはこれ以上言及していませんが、企業年金については、まず<図表2>で公的年金制度の基本的なしくみを確認したうえで、<図表3>を使って職業や立場によっていろいろな上乗せ制度があることに触れています。

特に、講演先の事業所に何らかの制度がある場合は、<図表3>でその種類を確認したうえで内容を解説しています。また中小企業では中途入社の方が結構多いので、転職前の会社にあった制度についての確認もお願いしています。実際、前職で加入していた「確定拠出年金(企業型)」について必要な手続きをせず放置している方も散見されそのままでは将来受け取れる金額が減ってしまいますので、必ず注意を促しています。

さて、今回はここからセミナーの現場を離れて、退職金・企業年金制度の現状について見ていきたいと思います。

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小野田理恵子(おのだりえこ)/小野田社労士・FPオフィス代表
会計事務所で事務をとる傍ら、2003年に社労士資格を取得。開業社労士としての実務に携わるとともに、年金事務所で5年ほど相談員を経験。またFPとして、大手企業、労働組合、公的機関、各種団体等で、セカンドライフセミナーを中心としてさまざまなテーマでの講演を行っている。特定社会保険労務士、CFP®、高度年金・将来設計コンサルタント。
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