年金時代

長沼 明(ながぬま・あきら)/浦和大学客員教授・前埼玉県志木市長

遺族厚生年金の請求書を提出しなくても、妻自身の年金生活者支援給付金の請求をできるのか?

「夫が死亡して課税世帯から非課税世帯へ変わりました。しかし、遺族厚生年金に必要な書類をすべて用意できていません。」

こんな相談を受けたときに、年金生活者支援給付金のうち、老齢給付金の請求書だけを、単独で提出できるのでしょうか?

年金生活者支援給付金は、原則として、請求書を提出した日の属する月の翌月分から支給されます。月をまたいでしまうと、1か月分を受給できなくなってしまう可能性があります。

また、「年金制度改正法」が令和2年6月5日に公布されました。この改正法の中には、年金生活者支援給付金の請求に関し、一定の経過措置が規定されました。

課税世帯から非課税世帯に変わった場合など、この経過措置が適用されるのであれば、慌てる必要はないのかもしれません。しかし、経過措置が適用されない事案だとすると、さかのぼり適用が認めてもらえないことになります(「年金手続update」2020年9月8日掲載 参照)。

さぁ、実際はどうなのでしょうか? 今回は、筆者が実際に経験した事例をもとに報告していきましょう。

  • 1
  • 2

ここから先はログインしてご覧ください。

長沼 明(ながぬま・あきら)/浦和大学客員教授・前埼玉県志木市長
地方公務員を中心に共済組合等の年金に関する第一人者。埼玉県志木市長を2期8年務め、市長在任中に日本年金機構設立委員会委員、社会保障審議会日本年金機構評価部会委員、日本年金機構のシンボルマークの選考委員を歴任。著書に『年金一元化で厚生年金と共済年金はどうなる?』(年金・福祉推進協議会)などがある。
年金時代