年金時代

小川 亮一(おがわ りょういち)/中小企業診断士、健康経営エキスパートアドバイザー

第8回 専門家との連携①~中小企業診断士との連携~

今回から3回の予定で、健康経営を進めていく社会保険労務士にとって、よきパートナーとなる専門職との連携についてご紹介していきます。初回は、中小企業診断士で、健康経営エキスパートアドバイザーでもある小川亮一さんに「中小企業診断士との連携」をテーマに解説いただきます。

文章の最後にある産業医・今井鉄平さんによる「コロナ禍における健康経営」もご覧ください。今回はWithコロナ時代のインフルエンザ予防接種がテーマです。

*「健康経営」は、特定非営利活動法人健康経営研究会の登録商標です。

中小企業診断士からみた健康経営

中小企業診断士(以下、「診断士」という)は、企業の成長や経営改善を支援するコンサルタントです。企業の経営分析から戦略・戦術の策定、事業計画策定、実行フォローを行うと共に、企業と行政の施策、企業と金融機関等のパイプ役でもあります。独占業務がない代わりに仕事は幅広く、製造業、流通業、飲食業など特定の業種に強いもの、事業承継、マーケティング、ITなど特定の分野に強いものなど様々な診断士がおります。

健康経営における診断士の得意分野の1つは、健康経営のプロセス支援です。健康経営優良法人のフレームワークなどを活用して、健康経営に対する経営者の考え方や背景、企業の取り組み状況など現状をヒアリングして、課題を抽出して、健康経営の進め方を提案します。新しく健康経営を始める際には、体制構築から現状分析、目標設定から計画を策定し、実行をフォローします。

こうした健康経営の支援の流れは、実は、診断士が企業の事業活動に対するコンサルティングの支援方法と同じです。健康経営は「健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践すること」と言われますが、経営的視点とは、経営者の意志があり経営上の目的がはっきりとしていること、戦略的に実践するとは、健康管理を事業活動と同じようなプロセスで実施することだと解釈しています。実際に、図表1に示すように、健康経営優良法人のフレームワークは、そのような考え方で構成されています。ちなみに「健康投資の見える化」の動きも同じ流れです。投資対効果を求めない事業活動はありません。

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小川 亮一(おがわ りょういち)/中小企業診断士、健康経営エキスパートアドバイザー
東京商工会議所で健康経営支援を行い、健康経営アドバイザー制度の運営支援(専門家派遣の事務局など)、東京都「職場で始める!感染症対応力向上プロジェクト」事務局などを務める。東京都中小企業診断士協会中央支部所属、健康ビジネス研究会事務局。
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