2020/12/15掲載
派遣労働者の同一労働同一賃金――労働者派遣事業の令和3年度の「労使協定方式」に関する通達について
いわゆる派遣労働者の同一労働同一賃金が令和2年4月に施行され、来年で2年目を迎えます。10回目となる今回の連載では、令和3年度に適用される新型コロナウイルス感染症による特例について、厚生労働省の通達をもとにドリームサポート社会保険労務士法人社員・特定社会保険労務士の下田直人さんが解説します。
新型コロナウイルス感染拡大による特例
いわゆる派遣労働者の同一労働同一賃金の問題として、労働者派遣を事業とする企業や派遣労働者を受け入れている企業は、この春までに派遣労働者の公平な待遇の確保に向けた対応が迫られていました。
多くの企業では、労使協定による待遇の確保(以下「労使協定方式」)により、派遣労働者の待遇を確保したのではないかと思います。
この労使協定方式の場合は、派遣労働者の賃金の決定の方法を労使協定に定めることとされ、当該方法については、「派遣労働者が従事する業務と同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金(以下「一般賃金」)の額として厚生労働省令で定めるものと同等以上の賃金の額となる」ことが必要とされています。その一般賃金については、直近の統計調査等の結果等を踏まえ、毎年更新されることになっています。
令和3年度に向けて、今年の統計調査結果が発表されたわけですが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う労働市場への影響等を踏まえ、特例的な取り扱いを認める通達が出されました。
厚生労働省ホームページ▶厚生労働省職業安定局長通達
今回は、その通達について紹介します。