年金時代

浅川 律子(あさかわ りつこ)ドリームサポート社会保険労務士法人/社会保険労務士

副業・兼業 ~ダブルワーカーの労務管理方法について~

労働分野の旬なテーマを取り上げて、実務の参考となる情報を提供する連載企画。第11回はますます注目される副業・兼業(ダブルワーク)の労務管理について、ドリームサポート社会保険労務士法人の浅川律子さんが解説します。

人生100年時代を迎えるなか、時代の変化が激しく先行き不透明であることに対する不安を感じている人が増えているように思います。副業・兼業をすることで本業ではできない経験を通してスキルアップをしたり、本業で収入の安定を確保しつつ、本当に自分がやりたいことにチャレンジしたりすることで豊かな人生を追求したいというニーズがあるのでしょう。

総務省の就業構造基本調査によると、副業・兼業を希望している雇用者数は右肩上がりに増えており、2017年には雇用者全体の6.5%となっています。新型コロナウイルス感染症の影響を始めとする失業・収入減リスクへの対策としても、副業・兼業はますます注目されています。

2020年9月15日掲載の連載記事でも触れたとおり、平成30年1月に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が公表されました。このガイドラインの時点ですでに、企業は原則、副業・兼業を認める方向とすることが適当とされています。また企業が副業・兼業を認めるにあたっては、自社での業務がおろそかになること、情報漏洩のリスクがあること、競業・利益相反になること等の課題がある上、副業・兼業に係る就業時間や健康管理の取り扱いのルールが分かりにくい問題があるとも指摘されています。

このように問題点がある一方、具体的な環境整備の方法や労働時間管理のルールが明確ではなかったため、副業・兼業の容認まで至らなかった企業も多かったようです。

そこで2020年9月、副業・兼業を容認するにあたって事前にすべき環境整備や労働時間管理のルールを明確にするため、厚生労働省はガイドラインを改定しました。

改定事項を含めポイントをご紹介します。

次ページ:副業・兼業に関する労働時間管理や健康管理などのポイント

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浅川 律子(あさかわ りつこ)ドリームサポート社会保険労務士法人/社会保険労務士
法学部法律学科卒業。大学での専門は民法親族・相続法。卒業後、裁判所に事務官として入所し、研修を経て書記官に任用され、15年間従事する。裁判官のサポート役として民事事件・刑事事件に携わるだけでなく、司法修習生のための教材作成も担当し、法律の実務家としての経験を積む。 家庭との両立という観点と、より主体的に法律や法律を取り巻く市民への関りたいとの思いから、2018年にドリームサポート社会保険労務士法人入社、2020年に社会保険労務士として登録する。 現在は、ドリーム課パートナー係のメンバーとして、幅広い業種の企業を担当。お客様の「分からない」に真摯に向き合い、労働法だけでなく民法などを始めとする幅広い法律知識を背景に、丁寧でわかりやすい助言に定評がある。
ドリームサポート社会保険労務士法人
東京都国分寺市を拠点に事業を展開し、上場企業を含む約300社の企業の労務管理顧問をしている実務家集団。
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