2021/02/12掲載
令和3年度の年金額は、なぜ、0.1%下がったのか?
~老齢基礎年金の満額は、780,900円に!~
令和3年度の年金額が、1月22日(金)に、厚生労働省より正式に公表されました。
老齢基礎年金の満額は、年額780,900円(月額65,075円)となります(【図表1】参照)。
昨年は、厚生労働省の正式な公表を待たず、令和2年度の老齢基礎年金の満額は781,700円になる、と大胆にも試算を執筆しました(2020年1月17日掲載『令和2年度の年金額は、どうなるのか? ~財務省資料から、新年度年金額の決定メカニズムを直前学習!~』)。
しかしながら、今年は、令和3年度の年金額の試算を執筆することを見送りました。コロナ禍の中で、「物価」の動向を読み切れなかったからです。「物価」の数字を把握できないと、なぜ、令和3年度の年金額を試算することに、躊躇を感じたのか。
年金専門誌はいずれも、財務省のデータ(【図表2】参照)を踏まえ、「令和3年度年金額改定は据え置きへ――令和3年度予算案」という記事を発信しました。
これ自体は、全く間違いはありませんし、この時期に、年金専門誌が令和3年度の年金額を読者に伝えるのは当然の責務でしょう。
では、なぜ、政府予算案どおりの年金額、すなわち据え置きにならず、0.1%のマイナスになったのか?(【図表1】の「年金額の改定率」の欄・『注5)0.999』の項、参照。「年金額の改定率」が『0.999』ということは、年金額が0.1%のマイナスになる、ということを意味します)。
そんなことを考えながら、あらためて令和3年度の年金額の決定のしくみについて述べていきます。
また、法律から読み解くという視点は、いずれ、年友企画の代表取締役・大山均氏が執筆されるものと思いますので、本稿は、【図表】のイメージ図や数字を眺めながら、「あっ、そういうことだったのか!」と、なんとなく理解したと思えるレベルで記述していきますので、もし読みにくい箇所があれば、そこは飛ばして、先に読みすすんでいってください。
ひとつひとつ正確に理解して先に進むのは、容易ではありませんから・・・。
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