年金時代

長沼 明(ながぬま・あきら)/浦和大学客員教授・前埼玉県志木市長

障がい年金を受給しているのに、障がい者控除を受けられない?

令和2年分の所得税の確定申告書の提出期限は、コロナ禍の関係で、本年は令和3年4月15日(木)までとされています。

確定申告の関係で、こんなご相談をいただきました。

70代の高齢者の男性から、40代の息子が障がい厚生年金・障がい基礎年金(障がい等級2級)を受給しているのだが、障がい者控除の適用を受けられない、という相談内容です。

もちろん、息子さんは就労することができず、収入はありません。ご両親と同居して、日常生活をほぼ全面的にサポートしてもらっています。

お住まいの自治体で、障がい者手帳を申請しようとしたのですが、該当しないと言われ、申請するまでには至っていないということです。

はたして、障がい年金(障がい等級2級)を受給しているのに、身体障がい者手帳療育手帳精神障がい者保健福祉手帳の、3つの障がい者手帳の申請には至らないで、所得税法・地方税法上の障がい者控除にも該当しない、という障がい年金があるのでしょうか? また、どんな障がい年金を受給していると、そういうことが起こりうるのでしょうか?

今回は、障がい年金障がい者控除障がい者手帳の関係について、述べていきます。

(注)本稿では、法律名および引用文を除いて、原則として「障がい」と表記しています。ご了解ください。なお、本文に出てくる事例は、実際の実例をもとに記述していますが、個人情報に配慮して記していますので、ノンフィクションではありません。
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長沼 明(ながぬま・あきら)/浦和大学客員教授・前埼玉県志木市長
地方公務員を中心に共済組合等の年金に関する第一人者。埼玉県志木市長を2期8年務め、市長在任中に日本年金機構設立委員会委員、社会保障審議会日本年金機構評価部会委員、日本年金機構のシンボルマークの選考委員を歴任。著書に『年金一元化で厚生年金と共済年金はどうなる?』(年金・福祉推進協議会)などがある。
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