年金時代

尾山 大樹(おやま だいき)/ドリームサポート社会保険労務士法人

中小企業も月60時間超の時間外労働に対する割増賃金率50%が適用に

労働分野の実務の参考となる情報を提供する「プロが伝える労働分野の最前線」 第17回のテーマは、月60時間超の時間外労働に対する割増賃金率(50%以上)が中小企業にも適用される労働基準法の改正です。施行は令和5年4月なのでまだまだ先のことと思われるかもしれませんが、対応への準備を考慮すると実はそんなに猶予があるわけではありません。ドリームサポート社会保険労務士法人の尾山大樹さんが解説します。

中小企業の猶予期間が終了

令和5年4月から改正施行される労働基準法により、今まで大企業のみに適用されていた月60時間を超える時間外労働に対する割増賃金率(50%以上)が、中小企業(※1)に対しても適用されることになります。

平成22年4月に大企業を対象にスタートしたこの制度は、通常よりも高い割増賃金率(50%以上)の支払いを企業に義務付けることで、長時間労働を抑制し、労働者の生活と健康を守ろうという趣旨ですが、経営体力の弱い中小企業には、その適用が猶予されていました。いよいよ、その猶予期間が終了し、中小企業にも大企業と同じ割増賃金率が適用されるようになります。まだ先のことと思わず、今からしっかりと対応を考えておく必要があるでしょう。

具体的には、①給与計算方法の確認、②長時間労働への対応に備えた仕組みづくり、などが考えられます。そのポイントを、改正の概要とともに解説します。

 

次ページ:給与計算への対応

ここから先はログインしてご覧ください。

尾山 大樹(おやま だいき)/ドリームサポート社会保険労務士法人
大学卒業後、大手飲食チェーン会社に入社。店長として複数の店舗運営に6年間従事。スタッフの採用から育成、定着までの一貫した管理の重要性に気づき、企業の「ヒト」に長く関わることのできる社会保険労務士を目指す。 2018年ドリームサポート社会保険労務士法人入社。現在は担当する顧問先の労務相談への対応や職場の新しい仕組み作りをサポートする傍ら、部門を超えた顧問先向けのセミナー、社内研修等の企画・運営のリーダーとして活躍。前職の経験を活かし、店舗運営など経営管理の側面を踏まえたアドバイスや『仕事とは、常に二手三手先を読んで行うものだ』を信条とした育成指導にも定評がある。
ドリームサポート社会保険労務士法人
東京都国分寺市を拠点に事業を展開し、上場企業を含む約300社の企業の労務管理顧問をしている実務家集団。
ドリサポ公式YouTubeチャンネル
代表 安中繁が、労働分野の実務のポイントをわかりやすく解説している動画です。是非ご覧ください。
年金時代