年金時代

石渡 登志喜(いしわた・としき)/社会保険労務士・年金アドバイザー

夫が行方不明後に死亡確認されたときの妻の遺族年金受給権

今回は、夫が行方不明となった後に死亡が確認された場合の妻の遺族年金の事例です。死亡してから短期間で死亡が確認されたため、「失踪宣告」に該当しません。夫の死亡日や生計維持認定日、妻の遺族年金の受給権発生日はどのようになるでしょうか。

【事例概要】

死亡者:A雄さん(昭和31年5月20日生まれ:65歳/会社員)

・昭和62年6月6日にB子さんと婚姻

・令和3年3月から大阪に単身赴任

・令和3年6月20日に北アルプスに登山中に滑落死

・1ヵ月後に遺体が発見される

請求者:B子さん(昭和40年9月15日生まれ:55歳/専業主婦)

・令和3年9月2日に遺族年金の請求のため年金事務所を来所

夫が登山中に事故死して1ヵ月後に発見

夫のA雄さんが事故により死亡したとのことで、令和3年9月2日に妻のB子さんが遺族厚生年金の請求で年金事務所に来所されました。A雄さんは厚生年金被保険者であって、老齢厚生年金の受給権者でもありました。

B子さんの持参した戸籍謄本によると、B子さんは昭和62年6月6日にA雄さんと婚姻していました。ただ、A雄さんの死亡日が「推定令和3年6月下旬」と記載されています。なお、A雄さんは半年前から大阪に単身赴任しており、住民票上は別居となっているとのことです。

A雄さんは若いころから山登りが趣味で、今回も令和3年6月20日に北アルプスへ登ると言って出かけましたが、帰宅予定日を過ぎても戻りませんでした。所轄警察に捜索願を提出して行方を捜していたところ、約1ヵ月後に現場付近を通りかかった登山者に発見され、死体検案書によれば滑落による頭部打撲とわかりました。

 

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石渡 登志喜(いしわた・としき)/社会保険労務士・年金アドバイザー
電子計測器メーカーで資材部長・営業部長・厚生年金基金常務理事を経験。定年退職後、社会保険労務士事務所開業。千葉県内の年金事務所の年金相談員経験者。豊富な相談事例をもち、雑誌、書籍等多数執筆。
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