年金時代

第2回 労働者協同組合の基本原理⑵組合員が出資

前回は、労働者協同組合の仕組みと、3つの基本原理のうちの「組合員の意見が適切に反映されること」について記しました。今回は、基本原理のうち、「組合員が出資すること」を取り上げます。

労働者協同組合の3つの基本原理
・組合員が出資すること →(今回のテーマです。)
・組合員の意見が適切に反映されること →(前回のテーマです。)
・組合員が事業に従事すること →(次回のテーマとする予定です。)

労働者協同組合法は本則が137条、附則が34条から構成されていますが、その条文中に頻出する単語としては「組合」が600回以上と一番多く、次に「労働」が120回程度と続きます。労働者協同組合に関する法律ですので、この2つが多いのは頷けますが、その後に続くのが「出資」で80回程度登場します。例えば「協同」は30回程度ですので、それと比較すると「出資」の登場回数が多く、いかに重要なキーワードであるかがわかります。

事業に対し意見も言うし、出資もする

出資に関して、立法時の趣旨を、国会の会議録で確認します。
「労働者協同組合は、他の組合員とともに意見を出し合いながら働く場を組合員自身でつくるというものでございまして、こうした組合の性格に鑑みれば、組合の事業に必要な財産的基礎につきましても組合員自身によって確保されるべきであると考えております。労働者協同組合の基本原理の一つとして、組合員自身に出資を義務付けるというふうにしているところでございます。」(令和2年12月3日㈭参議院厚生労働委員会における答弁者(提案者)の発言)となっています(下線は筆者が追加)。

例えば、NPO法人の場合には、出資が認められていないため、寄付や参加者からの借入金などに頼る法人は、財務基盤が脆弱になる傾向にあると考えられますが、労働者協同組合では出資が認められ(義務)、安定した財務運営が期待されます。また、出資することにより、各組合員に経営に参画する自覚と責任感が醸成され、それに伴い意見を自らきちんと表明できることが期待されているのだと筆者は考えます。

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