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年金時代編集部

事例でみる障害年金請求の勘所|#4 発達障害による請求事例

 

ひとえに発達障害と言っても、その中にはいろいろな種類があり、発達障害者支援法において「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」と定義されています。
障害年金を請求する上での請求傷病名は、個別にこうした傷病名を記載しますが、その症状が多岐にわたって判別しにくいときは、発達障害という総称を請求傷病名にしても構いません。
今回は、この発達障害による障害年金請求事例も検証していきます。

 

目次
事例●発達障害による障害厚生年金請求
⑴発達障害の初診日は、その主症状に気づき、精神科等を受診した時
⑵診断書の取得について
⑶病歴就労状況等申立書の記載は出生時から
今回の相談者に案内する回答例
まとめ――今回の相談事例の勘所は2つ

 

今回の相談者で注目すべきところは、学生時代から精神的な障害があったような申し出をしていますが、実際に精神科を受診したのは、最近であることです。

⑴発達障害の初診日は、その主症状に気づき、精神科等を受診した時

発達障害とは、生まれつきの脳機能の発達の偏りによる障害と言われており、知的障害と類似した点もあります。従って、今回の相談者のように、学生時代から、コミュニケーションがうまく取れない等、その症状が出現していることもあるでしょう。しかし、日常生活や就労に支障をきたす重たい症状になるのは、社会人になって厚生年金に加入してからなる場合も多いです。そこで、これを知的障害と同じように先天性とみなし、出生日を初診日としてしまうと、発達障害系の障害は全て障害基礎年金となってしまい、その後に加入した厚生年金が反映されず、障害厚生年金の請求ができなくなります。

こうしたことを防ぐことからも、発達障害系の障害の初診日は、その主症状に気づいて初めて医療機関を受診した日となっています。今回の事例で、上司の勧めで精神科を受診した以前に、幼少期も含めて同じ症状により医療機関を受診していなかったのかを伺ったところ、以前にはないとのことでしたので、令和2年6月17日が初診日となります。

初診日が特定できたので、初診証明である受診状況等証明書を本来であれば取得するのですが、初診から現在も同じ病院に通院していますので、このような場合は、後に取得する診断書で初診日がわかることから、この受診状況等証明書の添付は、今回は省略することが可能です。

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