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事例でみる障害年金請求の勘所|#5 統合失調症による請求事例

統合失調症とは、心や考えをバランスよく保つことができず、そのため、自身の気分や行動をうまくコントロールすることができず、人間関係などに悪影響が出る傷病です。具体的には、悪口を言われたわけでもないのに、そう思ってしまう等の幻覚や妄想、または意欲や感情表現力の低下が症状としてあります。
このような症状が出現すれば、当然、労働や日常生活にも支障が出てきます。しかし、実際、どのくらい支障が出ているかは、本人にしかわからず、数値的なものでその症状の重さを計ることができません。
これは、統合失調症に限らず、すべての精神障害の診断に言えることです。このことから、精神障害での障害年金請求は、他の障害での請求に比べ、注目する留意点があります。

今回は、統合失調症に事例に基づいて、精神障害での障害年金請求を検証していきます。

目次
事例●統合失調症による障害基礎年金請求
⑴初診証明の取得(受診は医療機関単位)
⑵遡りの障害認定日による請求を考慮し、診断書の取得
⑶病歴就労状況等申立書の記載上の注意
今回の相談者に案内する回答例
まとめ――今回の相談事例の勘所は4つ

事例●統合失調症による障害基礎年金請求

今回の相談を整理しますと、最近、統合失調症であることを伝えられたようですが、大学時代から継続してメンタルクリニックに通院しているとのことですので、初診日は、その大学1年生時となり、20歳前の傷病による障害基礎年金になります。
また、最近、症状が悪化してきたようですが、学生時代も引きこもりがちで、就職してもすぐに辞めていることから、20歳前後から既に、重たい症状が出現していた可能性もありますので、遡りの障害認定請求も考慮する必要があるということです。

では、具体的に書類の整備をしてみましょう。

⑴初診証明の取得(受診は医療機関単位)

診察をしてもらっている医師が病院を移ったため、患者もその医師に合わせて受診している病院を転院することはよくあります。
この場合は、診察する医師は変わらないのですが、初診証明である受診状況等証明書(以下「受証」という。)は、医療機関が証明しますので、その医師が移動する前の医療機関の受証を作成することはできません。そこで、今回の場合、引き続き診察を受けている現在の医師ではなく、その前のKクリニックでの受証が必要となります。

Kクリニックの初診は大学1年生頃でしたが、具体的な日付は平成7年5月30日(18歳2ヵ月)でした。このことから、平成7年5月30日のKクリニックの受証を取得します。
また、仮にKクリニックより前に受診歴があったとしても、20歳前の傷病による請求となる今回は、本連載のバックナンバー「#3 20歳前に初診日がある障害基礎年金の請求」でも記載しました通り、20歳前(正確には18歳6ヵ月以前)に受診していることが分かる受証となりますので、それ以上の初診証明は不要となります。

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