年金時代

勝島 一(かつしま はじめ)/コア・コム研究所㈱主席フェロー

第6回 労働者協同組合におけるシフト管理について

前回は労働者協同組合における人事評価について考えてみましたが、今回はシフト管理について取り上げたいと思います。

労働者協同組合法は、第1条の以下の文章から始まります。
「この法律は、各人が生活との調和を保ちつつその意欲及び能力に応じて就労する機会が必ずしも十分に確保されていない現状等を踏まえ(略)」(下線は筆者追加)
ここからわかるように、労働者協同組合では、組合員の仕事と生活の調和がとりわけ意識されています。

その点、いわゆるシフト制は自分の生活に合わせて勤務スケジュールを組み立てることが可能であり、業務がシフト制に適している前提で、労働者協同組合と親和性が高い働き方とも思われます。一方、組合員にとって全て希望通りのシフトになるとは限らないため、組合員のモチベーションが下がらないような対応を考えておく必要があります。

シフトで人が足りなくなってしまった場合にまず行うべきは、話し合いで解決することです。このことは労働者協同組合に限った話ではありませんが、労働者協同組合の基本原理に「組合員の意見が適切に反映されること」があることからも、労働者協同組合では特に意識すべきことと考えられます。話し合いで解決しない場合には、臨時でアルバイトを雇うことも検討することになるでしょう。その次に、仕事を調整できないか見直しすることも必要になると考えられます。それでも調整がつかなければ、再度組合員間の話し合いに戻り、対応する人を決めることになると考えられます。

シフト管理では、労働時間の管理なども重要な要素ですが、本稿では、組合員の希望に沿ったシフトが組めず一定程度組合員に調整をお願いすることになる場合を想定し、少なくとも組合員間の不公平感が生じにくいような工夫を考えてみたいと思います。なお、シフト制でない場合でも、程度は違いますが、休暇取得の場面では同様の管理、調整が発生しますので、本稿での考え方が参考になれば幸いに思います。

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勝島 一(かつしま はじめ)/コア・コム研究所㈱主席フェロー
年金数理人。日本アクチュアリー会正会員。 1990年東京大学卒業。信託銀行にて、厚生年金基金や確定給付企業年金などの企業年金に関する数理計算業務、年金数理人業務、数理システム開発業務に従事。その後、有限責任監査法人トーマツ(デロイト・トーマツ)にて、大手、中堅、中小企業に対する確定給付企業年金及び確定拠出年金の導入・変更の制度設計コンサルティング、退職給付会計に関する債務及び費用の計算・助言、IFRS導入支援、M&Aにおける年金デューデリジェンスを手がける。退職金・年金に関するセミナーも多数実施。2020年7月より現職。著書に『リストラするくらいなら給与を下げて退職金を増やしなさい』(共著、中央経済社、2021年)がある。
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