年金時代

小野田 理恵子(おのだ りえこ)/小野田社労士・FPオフィス代表

第7回 医療と介護、両方の負担がかさんだら

小野田理恵子氏が、これまでに社労士として、また会計事務所の事務員として、あるいはFP講師として経験してきたさまざまな実務の中から、参考になる事例を順次紹介します。制度やしくみが実務ではどう展開するのか、事例を切り口とした解説により、目からウロコの情報が満載です。

公的制度からの払い戻しについて知ろう

令和2年版高齢社会白書によれば、60歳以上の男女に将来に向けて経済面で不安なことを尋ねたところ、一番多かったのは「自分や家族の医療・介護の費用がかかりすぎること」だそうで、家族に負担をかけないようにきちんと備えておきたいと考える人は多いようです。そこに着目してか、新聞紙面では1週間のうちに何回も高齢者向けの医療保険等の全面広告が打たれています。

それらの広告では誰でもすぐに加入できることが強調され、資料請求をするだけで抽選でプレゼントが当たるそうで、今すぐ行動しないともったいないような気になってしまいがちですが、大事なのは加入できるかどうかではなく、果たして入る必要があるのかどうかではないでしょうか。

70歳以上の医療費の自己負担は、現時点では現役世代よりは軽い制度(一般的な所得の場合は1~2割)になっていますし、月ごとの自己負担額が一定の上限を超えると超過分が払い戻される高額療養費制度もあります。むやみにあおられることなく、まずは公的医療保険制度を知り、契約中の保険があれば保障内容を確認し、貯蓄額も考慮したうえで加入の必要性を判断したいものです。

また、介護費用にも公的介護保険サービスの月ごとの自己負担額が一定の上限を超えると超過分が払い戻される高額介護サービス費制度があります。
それでも、同じ世帯で医療と介護両方の負担が同時期に高額になることも珍しくないため、さらに負担を軽減するための制度として、2008年に高額医療・高額介護合算制度が始まりました。

この制度について、先日身近な65~69歳の5人に聞いてみたところ、何と全員が「初めて聞いた」と答え、認知度は低いようです。そこで今回はこの制度について、しくみ、申請方法、注意点等を解説し、後半で我が家の事例も紹介します。

これ以降はnote年金時代(有料)でご覧いただけます。

小野田 理恵子(おのだ りえこ)/小野田社労士・FPオフィス代表
会計事務所で補助者業務に従事する傍ら、社労士とFPの資格を取得。開業社労士としての実務と並行して、FP資格も活かして講師業にも携わり、大手企業、労働組合、公的機関、各種団体等で、セカンドライフセミナーを中心としてさまざまなテーマでの講演を行っている。以前に5年ほど年金事務所で相談員を経験。特定社会保険労務士、CFP®、高度年金・将来設計コンサルタント。
年金時代