年金時代

長沼 明(ながぬま・あきら)/浦和大学客員教授・前埼玉県志木市長

夜間中学の生徒(20歳以上60歳未満)も学生納付特例制度に該当!短時間労働者で雇用されると、どうなるのか?

文部科学省のホームページによれば、令和4年4月1日現在、中学校夜間学級(いわゆる夜間中学)は15都道府県に40校が設置されています(【図表1】参照)。

 

 

ところで、国民年金法施行令の改正で、令和3年4月1日から、この夜間中学の生徒(20歳以上60歳未満)も、学生納付特例制度の対象になることになりました(【図表2】)。

【図表2】  国民年金法施行令第6条の6

(法第90条第1項の政令で定める学生等)

第6条の6 法第90条第1項に規定する生徒又は学生であつて政令で定めるものは、次に掲げる生徒又は学生とする。

一 学校教育法(昭和22年法律第26号)第45条に規定する中学校(夜間その他特別の時間において授業を行うものに限る。)に在学する生徒

<学校教育法第45条>

第45条 中学校は、小学校における教育の基礎の上に、心身の発達に応じて、義務教育として行われる普通教育を施すことを目的とする。

令和2年改正法の陰に隠れて、あまりクローズアップされませんでしたが、『令和3年度版 国民年金ハンドブック』(社会保険研究所)には、しっかりと記述されています(37頁参照)。

『令和4年度版 国民年金ハンドブック』が、まもなく刊行されると思いますので、そちらのほうの購入をお勧めします。

さて、この夜間中学の生徒が20歳以上60歳未満で、令和3年4月から学生納付特例制度の適用を受けていて、短時間労働者として、厚生年金保険の被保険者が101人以上の特定適用事業所にアルバイトで勤務していたとしたら、令和4年10月から厚生年金保険の被保険者となるのでしょうか?

それとも、厚生年金保険の被保険者とはならない、適用除外に該当するのでしょうか? 日本年金機構のホームページには、【図表3】の「要件早見表」が掲載されています。

 

日本年金機構のホームページに掲載されている【図表3】をみると、「学生ではないこと」としか、記されていません。

20歳以上60歳未満の夜間中学の生徒が「学生納付特例」に該当し、『学生』だとすると、【図表3】の一番下の欄にある「適用除外」に該当し、厚生年金保険が適用される短時間労働者にはならないのでしょうか?

いま、文部科学省では、夜間中学が少なくとも各都道府県に1校は設置されるよう、その設置を促進しています。

夜間中学の生徒の厚生年金保険の適用はどのように考えればいいのでしょうか?

※夜間中学とは、市町村が設置する中学校において、夜の時間帯に授業が行われる公立中学校の夜間学級のことをいいます。

今月は、夜間中学の20歳以上60歳未満の生徒を視点に、短時間労働者の適用拡大について考えていきます。

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長沼 明(ながぬま・あきら)/浦和大学客員教授・前埼玉県志木市長
地方公務員を中心に共済組合等の年金に関する第一人者。埼玉県志木市長を2期8年務め、市長在任中に日本年金機構設立委員会委員、社会保障審議会日本年金機構評価部会委員、日本年金機構のシンボルマークの選考委員を歴任。著書に『共済組合の支給する年金がよくわかる本』(年友企画)などがある。
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