年金時代

インタビュー:大野 実・東京都社会保険労務士会会長

社労士会のフロントランナーとして、働き方改革を支援、デジタルファーストを推進していきます

東京都社会保険労務士会(以下、東京会)の平成29年度事業運営に新執行部が着手した。首都・東京の社労士会をどうリードしていくのか、大野実会長に聞いた。

働き方改革・デジタルファーストの実現は社労士の使命

――東京会の会長として、今後2年間、同会の事業運営に取り組んでいくにあたり、重要課題は何でしょうか。

わが国は、15-64歳の生産年齢人口が減少し、さらに総人口も減っている状況で、少子高齢化が進んでいます。その一方で、社会のデジタル化が進み、短期間に世の中が大きく変わっています。こうしたなか、私たち社労士も世の中の変化の方向性をしっかり見極め、それに対応した力強い施策を打ち出していかなければなりません。

わが国の構造的な問題である少子高齢化に対して、政府は「希望を生み出す強い経済」「夢をつむぐ子育て支援」「安心につながる社会保障」の「新・三本の矢」の実現を目的とする「一億総活躍社会」の実現に向けて、取り組んでいます。そして、一億総活躍社会の実現に向けては、「働き方改革」をその大きな取り組みの柱と位置づけています。

そうしたなか、働き方改革が検討テーマとして掲げているのが、同一労働同一賃金などの処遇改善、長時間労働の是正、労働生産性の向上などで、経営・労務管理の専門家である私たち社労士に対する、世の中の期待がますます高まっているのを感じています。

また、政府のIT総合戦略本部の規制制度改革ワーキングチームが、今年3月に「デジタルファースト・アクションプラン」(仮称)をまとめていますが、アクションプランが具体的項目として掲げているのが、①政府全体での行政手続のオンライン利用の推進②デジタル社会を見据えた重要分野(税・社会保険分野など)での手続見直しとIT化の一体的推進③社会全体の意識改革を含む民間取引IT化の促進――からなる3つの方針で、これによるデジタルファーストの実現に向け、取り組んでいくとしています。

こうした世の中の大きな動きに直面して、正に、社労士は、中小・零細企業の労務管理等のパートナーとして、従業員の働き方にかかわってきましたし、労働・社会保険諸法令に基づく行政手続を代行してきました。そうしたことをかんがみるまでもなく、働き方改革やデジタルファーストの実現に向けて、中小・零細企業を支援していくことは、私たち社労士の当然の使命だとの認識をもっています。

また、東京会は、首都・東京の社労士会として、全国約4万の社労士の4分の1にあたる約1万人の会員を擁しています。そこで、社労士会のフロントランナーであるとの気概をもって、政府の働き方改革やデジタルファースト・アクションプランに取り組んでいくこともまた、東京会が担うべき、当然の課題なのだと考えています。

だからこそ、フロントランナーであるためには、その事業運営を支える力強い組織基盤が必要であることは言うまでもありません。委員会・支部・部会等および事務局の組織体制を見直し、再構築していくことも、こうした課題に真っ向から取り組んでいくうえで、避けて通れない課題なのだと強く認識しています。

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