年金時代

インタビュー:大野 実・東京都社会保険労務士会会長

学識経験者の参与には社労士制度をご理解いただき、支援者になっていただきたい

――フロントランナーとしての東京会を支える力強い組織基盤を再構築していくと言っていますが、具体的にはどう取り組んでいきますか。

東京会には、会長の諮問機関として、戦略的視野に立って同会の進むべき道筋を検討・提言するとともに、それらをコーポレートアイデンティティとして社会に向けて効果的・効率的に発信する会議体である「事業戦略会議」と、それに加え、政府の働き方改革を支援しこれに取り組む「健康経営・働き方改革推進本部」とが設置されています。

このたび、理事会で、事業戦略会議および健康経営・働き方改革推進本部などにおける事業の推進のため、3名の学識経験者を参与とすることが承認されました。公益財団法人21世紀職業財団会長の岩田喜美枝氏、学習院大学名誉教授の今野浩一郎氏、早稲田大学教授の黒田祥子氏の3名です。

学識経験者の3名の参与の方々には、東京会の事業についてさまざまなご意見をいただきますが、もう一つ重要なお願いをしました。それは、社労士制度のよき理解者となっていただき、学識経験者としてかかわるさまざまな場面で、社労士の活動や取り組みをご紹介いただく、社労士制度の応援団になっていただくことです。

そこで、東京会では、9月28日に平成29年度の「第1回働き方改革セミナー」を開催するのですが、第1部では、参与に就任していただいた黒田氏に「長期間労働是正と労働生産性について~働き方改革の今後の方向性~」をテーマにお話しいただきます。

また、第2部では、働き方改革とデジタルファースト実現を一体的・効果的に取り組む事業事例として、さきほどご紹介しましたが、経営労務監査を社労士の職域として確立し、働き方改革を支援するツールとして連合会が進める「サイバー法人台帳ROBINSにおける経理労務診断サービス」の重要性を、東京会の委員会の一つである「経営労務監査・労働条件審査特別委員会」の委員である会員の社労士が解説します。そのなかで、実際のROBINSの画面を確認していただく個別体験会も実施します。

――力強い組織基盤を再構築していくため、委員会組織にはどの取り組んでいきますか。

一つは、これまで社会貢献委員会の部会との位置づけであった、がん患者等就労支援部会を「がん患者・障がい者等就労支援特別委員会」として、委員会に格上げしました。2020年の東京パラリンピック支援を踏まえ、障害者の就労も併せて支援していきます。

また、幅広く会員に委員会の活動に参加してもらうことから、定員の1割の委員を公募により選考することにしました。そして、委員会の責任体制を明確にすることから、東京会の会長、副会長ほか各委員長・副委員長などを集めたキックオフミーティングを開催しました。これは、29年度の事業運営を中心的に担う執行部メンバーが一堂に会して、事業運営や所掌事項、諮問事項などを目に見える形にして共有化を図るための会議です。委員会等が相互に連携を図りながら事業を展開していくことを確認することで、強い組織の再構築につなげていきます。

――事務局体制の強化にも取り組んでいくということですが。

社労士会の事業は、各委員会が企画・運営を実行していきますが、そうはいうものの私たち社労士はそれぞれが自分の事務所をもち、社労士の仕事をしています。そこで、社労士会の事業となると、委員会が事業の方向性や企画立案をするにしても、それを言いっぱなしにしないためには、委員会の推進事業を支える事務局体制がしっかり機能していなければ、それは絵に描いたもちになってしまいかねません。

そこで、事務局体制の強化と改善を図るため、「事務局諸規定等検討特別チーム」を設置して、事務局の組織体制や事務局のさまざまなルールの見直しを行っていきます。

――部会や支部組織についてはどうお考えですか。

特に、東京会では勤務等の社労士が半数以上いますが、実際には開業の社労士を中心に事業が動いているのが現状です。勤務の社労士になじむ事業を、会としてどう展開していくかが課題ではありますが、まずは、お互い会員どうしの交流会などをもっと積極的に開催していったら、勤務と開業の敷居が高くなるのを解消できるのではないでしょうか。会としては、そうした交流会の開催を支援していくところから始めたいと考えています。

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