2017/09/20掲載
公的年金 日本年金機構が振替加算の支給漏れに関する相談体制を拡充
日本年金機構(以下、機構)は9月15日、振替加算の支給漏れに関して相次ぐ問い合わせに対応するため相談体制を拡充したと公表。14日に開設した「振替加算専用ダイヤル」(0570-030-261)の専用回線を大幅に増設、また「ねんきんダイヤル」や年金事務所、街角の年金相談センターでも質問を受け付ける。さらには、多く寄せられた質問については、「よくある質問」としてホームページ上に掲載した。
振替加算の支給漏れは、9月13日に開催された社会保障審議会年金事業管理部会で明らかにされた。資料によると、支給漏れまたはその可能性のあるケースは10万5,963人(約599億円)に上る。振替加算については、正しく支給されていないケースがこれまでにも散見され機構が個別に対応していた。しかし、長年このようなケースが一定数生じていることから、平成27年10月の被用者年金一元化で共済情報連携システムを利用できるようになったのを機に、機構が総点検を実施してつかんだ。前述の対象者のうち、夫婦いずれかが共済組合の年金を受給している人が10万1,324人(全体の96%)、また、機構と共済組合との間の情報連携不足のケースが5万2,908人(260億円)分ある。そのほかシステム処理上の問題や機構による事務処理誤りによるケースもあるが、支給対象者から機構への届出漏れによって生じたケースも1万2,038人(128億円)ある。
対象者に対し機構は、11月上旬に手紙を送付したうえで、「年金振込通知書」にて支払う金額を通知し、15日には支払いが可能となるよう準備を進める。なお、支給額は振替加算支給開始時点までさかのぼって計算する。支給対象者が亡くなっている場合は、未支給年金を請求できる遺族に手紙で通知する。