年金時代

FOCUS「働き方改革」vol.5

労政審が働き方改革推進法案の要綱を答申

中小企業に対する同一労働同一賃金は平成32年4月施行

労働政策審議会(会長=樋口美雄・慶應義塾大学商学部教授)は9月15日、「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案」の要綱をおおむね妥当と答申した。同法律案には既報の労働基準法のほか、パートタイム労働法、労働者派遣法、労働契約法、労働安全衛生法、雇用対策法など合計8本の改正法案が盛り込まれている。時間外労働の上限規制、同一労働同一賃金などの主な施策の施行期日は平成31年4月1日だが、中小企業に対するパート・有期の同一労働同一賃金の規定は1年間の経過措置を設け、平成32年4月1日の施行とされた。

パートタイム労働法の対象に有期雇用労働者を追加

同一労働同一賃金に関しては、パートタイム労働法の対象に有期雇用労働者を追加し、これまで有期雇用労働者に適用されなかった均等待遇(通常の労働者と同視すべき者に対する差別的取扱いの禁止)をはじめ、すべての規定を有期雇用労働者に適用。また法律名も「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律」と改称する。一方で、労働契約法にある期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止(第20条)の規定は削除する。

派遣労働者の同一労働同一賃金は労使協定の締結で適用除外に

派遣労働者に関しては、派遣先の労働者との均等・均衡待遇を基本としつつ、派遣元において平均以上の賃金水準や教育訓練の実施など一定水準を満たす労使協定を締結していれば、均等・均衡待遇の適用を除外するしくみとする。派遣労働者と派遣先の労働者の均等・均衡待遇を選択する場合は、派遣労働者を受け入れる事業主側に、比較対象となる労働者の待遇等の情報を派遣先に提供する義務を課し、それを労働者派遣契約締結の要件とする。なお、労使協定を締結していても協定内容に不備があったり、協定内容と実態が異なっている場合は、派遣労働者と派遣先の労働者との均等・均衡待遇が適用される。

雇用対策法は労働政策を総合的に推進する法律に改称

労働安全衛生法の改正は、時間外労働の上限規制の適用除外となる労働者(新たな技術・商品または役務の研究開発業務に従事する者)や、高度プロフェッショナル制度の対象労働者が一定時間以上労働した場合に、事業主に医師の面接指導等の実施を義務づける。このほか産業医の機能強化も盛り込んだ。

雇用対策法は「労働政策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」と改称し、国に対して、労働時間の短縮その他の労働条件の改善や均衡待遇の確保、育児や介護、傷病の療養等の事情を抱える労働者の両立支援等を推進する施策の充実を求める。また、労働者が能力を有効に発揮するために必要な施策を総合的に推進すべく、基本方針を定めるとした。

 

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