年金時代

FOCUS「働き方改革」vol.6

医師の働き方改革で検討会発足

医師の時間外労働の上限規制は施行から5年間猶予

厚生労働省は82日、医師の働き方改革に関する検討会の初会合を開催した。患者への応召義務など特殊性のある勤務医の働き方に対する時間外労働規制のあり方等について検討し、平成30年1月を目途に中間報告を取りまとめる。同省はそれを医師の需給や偏在対策などを議論する医師需給分科会の審議に反映させる方針。その後も検討会は議論を継続し、平成31年3月を目途に報告書を取りまとめる予定だ。座長には、岩村正彦・東京大学大学院法学政治学研究科教授が選任された。政府の働き方改革実行計画では、年720時間以内などの上限を設ける時間外労働規制案が示されたが、医師は例外扱いとされ、施行から5年間適用を猶予し、医療界の参加の下で2年後を目途に具体的な規制のあり方を検討するとされていた。

医師の勤務実態の正確な把握と労働時間の該当性などの論点を提示

総務省の就業構造基本調査(平成24年)によると、労働時間が週60時間を超える勤務医は41.8%で、職種別では最も高い。今年4月に公表された医師の勤務実態調査でも、当直・オンコールを除いた20歳代の男性医師の平均週労働時間が65時間に達するなどの結果が出ており、勤務医の長時間労働は恒常化している。こうした実態を踏まえ、9月21日に開催された第2回会合では、厚生労働省から今後の議論に向けていくつかの論点が示された。

一つは医師の勤務実態の正確な把握と労働時間への該当性だ。勤務医には患者に対する診療時間のほか、大学病院における教育や研究活動、自己研鑽、会議、管理業務といった診療外時間、さらに宿直における待機時間などがある。これらの勤務実態の精緻な把握とともに、論文執筆や学会発表などの自己研鑽や研究活動などの時間が労働基準法上の労働時間にあたるかどうかを検討していく。また、業務の移管(タスクシフティング)や業務の共同化(タスクシェアリング)の推進、AIやICT等による業務の効率化など、医師の勤務環境の改善策も論点。あわせて医療機関の労働時間管理等のあり方や勤務環境改善支援センター等の機能強化なども議論する。このほか関連して整理が必要な事項として、医師の応召義務のあり方や医師の偏在、地域医療提供体制の確保、医師の労働時間の適正化に対する国民の理解などが挙げられた。時間外労働規制等のあり方に関しては、医療の質や安全性を確保する観点と、医師の健康確保を図る観点から上限等を検討していく考えが示され、了承された。

現場の実態に制度を合わせるか、実態を変えて制度を合わせるか

この日の意見交換では、医療関係者から現場の実態に合わせた裁量労働制の新設、適用などを求める意見が出された一方で、有識者や労働者側から、実態に制度を合わせるのではなく実態を変えることが働き方改革の趣旨だという意見が出された。また、実態として労働時間の長い救急科と産科への対応や、病院団体が懸念する労働時間の対価に対する原資の確保についても議論すべきという意見もあった。

 

 

 

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