年金時代

第37回日本年金学会を開催ー超高齢・人口減少時代の資産運用・資産形成について議論

拠出建て制度における受託者責任の重要性の高まりを指摘

また、自由論題では、さまざまな観点から研究発表が行われた。このなかで、小野正昭氏(みずほ信託銀行年金研究所)と大江英樹氏(株式会社オフィス・リベルタス)が、内外の拠出建て制度の動向に関する研究を発表した。

小野氏は、近年、米国で増加している401(k)等の拠出建て制度における信任義務違反に関する訴訟について、信任義務における法的な枠組みや裁判例からの考察を述べた。これまで6年を超えた受認者義務違反の提訴は、エリサ法によって不履行ないし違反またはその排除可能であった直近の日から6年以内の申し立てが求められており、この制限期間の適用により退けられてきた。しかし、今回の事例では、最高裁判決において継続的監視義務が指摘された。これによって、今後の各制度の受認者は、過去にとった行為の妥当性の検証、将来に向けた監視のあり方の見直し等を迫られると考察した。

大江氏は、2016年5月に成立した確定拠出年金法改正の経緯、目的および具体的な内容について解説し、企業型DCにおける事業主の受託者責任についての重要性について言及した。まず、商品選定における事業主の責任としては、ポリシーや方向性を示し、運営管理機関と協議するなどの必要性や選定理由をわかりやすく周知するべきであるとした。また、努力義務となっている運営管理機関のモニタリングを行うことだけではなく、事業主も含めて制度運営の健全性をチェックすることが必須であると述べた。

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