年金時代

確定給付企業年金のガバナンス強化策ー①

「総合型DBにおける代議員選出方法の見直し」

厚生労働省は11月8日、確定給付企業年金(DB)制度のガバナンス強化を目的とした改正省令の公布および関連通知の発出を行った。すべてのDBに、運用基本方針および政策的資産構成割合の策定を義務づけるほか、総合型DBにとってハードルが高いと受け止められている代議員選出方法の見直しなどを盛り込む。その改正内容を2回にわたって解説する。

事業主の参画を促すため選定代議員数の下限を事業主数の10分の1以上に

確定給付企業年金法施行規則の一部を改正する省令の施行等に伴い、「確定給付企業年金の規約の承認及び認可の基準等について」(承認認可基準)が改正された。これにより、代議員の定数は6人以上(選定代議員3人〈理事長、理事長代理、監事〉以上、互選代議員3人以上)と規定された。ただし、事業主の9割以上が所属する母体組織(法令に根拠のある組織に限る)が存在し、かつ一定の要件(図表1)に当てはまる場合であり、その条件を満たさない総合型DBは、選定代議員の数が事業主数の10分の1(事業主の数が500を超える場合は50)以上とされた。この総合型DBとは、2以上の厚生年金適用事業所の事業主が共同で実施する基金型企業年金で、その事業所間の人的関係が緊密ではないものと規定される。厚生労働省は、こうしたケースでは、事業主が基金の実施主体であるという意識が低くなりやすく、事業主としての責務を果たさないなどの問題につながる懸念があると説明している。

図表1●代議員の規制を適用しない母体組織の要件

所属する事業主に対して基金への加入を義務づけまたは推奨することを決議しており、その決議等に基づく活動実績が確認できる
基金の方針決定の手続に先立ち、基金の運営方針(基金の実施および解散、給付設計〈加入者資格・福利厚生事業・権利義務移転承継・資産の受け入れに関する事項を含む〉、掛金および資産運用に関する方針)を組織決定している
基金の運営状況について定期的(四半期に1回程度)に報告を受け、それを踏まえて今後の対応を必要に応じて検討すような体制が内部の委員会規程・定款等に定められており、それに沿った運営の事実が議事録等で確認できる
※『「確定給付企業年金の規約の承認及び認可の基準等について」の一部改正について』に基づき編集部作成。

選定代議員の選出方法については、あらかじめ規程を設けるなど明確化されていることに加え、すべての事業主が選定行為に携わるようにするとの目的から①事業主が他の事業主と共同で選定代議員候補者を指名する方法②各事業主が独自の選定代議員候補者を指名する方法――を規定。このいずれかを基本とするが、①および②の指名方法を希望しない事業主は③選定行為を現役員(理事および監事)・職員以外の第三者(選定人)に委任できる。また、代議員会で審議された事項等について、代議員に選定されていない事業主も含めたすべての事業主への情報提供を適切を行うことが求められている(以上、事業運営基準に規定)。なお、こうした規制は、図表1に該当する母体組織が代議員会に代わる役割を担っていると判断できるケースでは適用しない。

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