年金時代

雇用労働 職場のパワーハラスメントの定義と防止対策の強化を提言へ

厚生労働省の「職場におけるパワーハラスメント防止対策についての検討会」(座長=佐藤博樹・中央大学大学院戦略経営研究科教授)は3月16日、取りまとめに向けて議論を進めた。同省は3月中を目途に報告書を取りまとめる方針だ。職場のパワーハラスメントの定義や判断要素を整理するとともに、実効性のある防止対策を打ち出すとしているが、企業に法的な措置義務を課すか、法的根拠のないガイドラインにとどめるかで意見が割れている。

職場のパワーハラスメントの定義については、平成23年の「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議」において6行為類型(身体的な攻撃、精神的な攻撃、人間関係からの切り離し、過大な要求、過小な要求、個の侵害)などが示されたが、業務上の指導などとの線引きや被害者側の主張の客観性など、依然として事実関係の確認が難しい現状がある。そこで検討会では、職場のパワーハラスメントの定義を6行為類型に該当し、かつ①優越的な関係に基づいて行われること②業務の適正な範囲を超えて行われること③身体的もしくは精神的な苦痛を与えること、または就業環境を害すること――いずれの要素も満たす場合と整理。①~③の要素のいずれかを欠く場合は、職場のパワーハラスメントに該当しない場合もあるとして留意を求める。また、労使にわかりやすく周知するため、該当・不該当の具体例も示すとした。

一方、職場のパワーハラスメントの防止対策の強化に関しては、企業に相談窓口の設置や訴えがあった場合の事実確認、事後対応などの雇用管理上の措置を法律上義務づけるか、法的根拠のないガイドラインにとどめて自主的な取り組みを促すかでこの日も意見が割れ、取りまとめに至らなかった。人手不足や事実確認の難しさなどから、ただちに法的義務を課すのは現場の混乱を招くとして使用者側の委員は法的根拠のないガイドラインを主張するが、労働者側と有識者の委員は実効性を担保するなどの観点から、企業への支援策を充実させた上で法的な措置義務まで踏み込むべきと主張している。

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