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雇用労働 職場のパワハラ防止対策で厚労省検討会が報告書

厚生労働省の「職場におけるパワーハラスメント防止対策についての検討会」(座長=佐藤博樹・中央大学大学院戦略経営研究科教授)は3月27日、検討会の取りまとめを行い、30日に報告書を公表した。職場のパワーハラスメント(以下、パワハラ)を防止するため、事業主に雇用管理上の措置を義務づけるなどの対応策を示し、労働政策審議会に検討を求めるとともに、厚労省において必要な措置を講じることが適当と提言した。

職場のパワハラは相手の尊厳や人格を傷つけ、職場環境を悪化させるとともに、労働者の健康や命にもかかわる深刻な問題だ。だが、業務上の指導との線引きや当事者間の認識のズレなど、事実関係の判断が難しいという課題もある。こうした状況のなか、検討会で一致したのは、職場のパワハラ防止対策を今よりも前進させることだ。また、職場の労使が対応すべきパワハラの内容や取り組む事項を明確化するものが必要との認識も一致した。ただ、具体的な対応策は一本化できず、労政審に今後の検討を委ねる形となった。

検討会はいくつかの対応策を示したが、委員間で最も賛同を得たのは、セクシャルハラスメント等の対策を参考に、事業主に職場のパワハラを防止するための雇用管理上の措置(相談窓口の設置や研修の実施など)を義務づけ、違反があった場合は行政指導の対象とすると法律で規定する案だ。だが、パワハラの判断に共通認識がないまま措置義務を課すことに、使用者側の委員は懸念を表明。法的根拠のないガイドラインで事業主が講ずべき対応措置を明示して取り組みを推進すべきと主張した。

このほか報告書は、顧客や取引先からの暴力や悪質なクレームなどの著しい迷惑行為が労働者に大きなストレスを与えている問題にも言及。さらなる実態把握を行った上で、職場のパワハラへの対応との相違点も踏まえ、具体的な議論を深めていくことが必要だと提起した。

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