年金時代

FOCUS「働き方改革」vol.12

自民党部会が働き方改革関係推進法案を了承

4月中に閣議決定へ

自民党の厚生労働部会(橋本岳部会長)等の合同会議は3月29日、「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案」の8回目の法案審査を行い、部会長一任で了承した。総務会等の党内手続きを経て、4月にも閣議決定される見通し。当初の法律案から、企画業務型裁量労働制の対象拡大などが削除されたほか、中小企業への配慮から施行時期などが見直された。主な変更点は以下のとおり。

1)企画業務型裁量労働制の対象拡大等の削除

政府答弁のもととなった裁量労働制の実態調査結果に不適切な取扱いがあったため、企画業務型裁量労働制の対象業務に「課題解決型の開発提案業務」と「裁量的PDCAを回す業務」を追加する改正のほか、対象者の健康確保措置の充実や手続きの簡素化等を法律案から削除した。厚生労働省は実態調査を再度実施し、労働政策審議会の審議からやり直す方針を示している。

2)施行日の1年延期

中小企業への配慮から、施行日を1年遅らせ、時間外労働の上限規制は平成32年(2020年)4月、同一労働同一賃金は平成33年(2021年)4月、月60時間超の時間外労働にかかる50%以上の割増賃金率の適用は平成35年(2023年)4月とした。なお、同一労働同一賃金に関しては、大企業に対しても施行を1年遅らせ平成32年(2020年)4月とした。

3)中小企業への配慮を附則等に規定

36協定にかかる行政官庁の助言指導にあたっては、当分の間、中小企業における労働時間の動向、人材の確保の状況、取引の実態その他の事情を踏まえて行うよう配慮するものと附則に規定する。また、中小企業に法趣旨・内容の理解を促すことに努めるほか、働き方改革推進支援センター等と連携してきめ細やかな相談支援を行い、中小企業の労働時間の動向、人材の確保の状況、取引の実態その他の事情を踏まえて自主的な改善を促していくなどと通達で規定することも確認された。

4)労働時間の把握の実効性確保

長時間労働者に対する医師の面接指導を適切に実施するため、省令で定める方法により、使用者が労働者の労働時間を把握しなければならないと労働安全衛生法に規定する。当初の法律案においても省令で労働時間の把握を義務づけることは予定されていたが、法律に明記することでより実効性を高める。なお、義務違反に罰則は適用されない。

また、現行の労働時間の把握は「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」において、使用者による現認や客観的な記録を基礎とすることを原則とするが、やむを得ない場合は自己申告制とすることもできる。省令でも同じ内容を定める予定だが、新たに「管理監督者」と「みなし労働時間対象者」の労働時間の状況も把握することが義務づけられる。

5)鹿児島県・沖縄県の砂糖製造業に対する適用猶予

時間外労働の上限規制に3年間の適用猶予を設けていた鹿児島県・沖縄県の砂糖製造業については、人材確保や省力化の準備期間を考慮し、猶予期間を5年間に延長する。

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