年金時代

雇用労働 厚労省が過労死等防止の大綱改定案を示す

厚生労働省は4月24日、「過労死等の防止のための対策に関する大綱」の改定案を過労死等防止対策推進協議会(座長=岩村正彦・東京大学大学院法学政治学研究科教授)に示した。論点の一つとされたのが過労死等防止対策の数値目標で、同省の改定案では労働時間や年次有給休暇、メンタルヘルス対策のほか、新たに勤務間インターバル制度の推進を加えた。大綱案は引き続き協議会で審議され、今夏を目途に改定される見通しだ。

大綱は、過労死等防止対策推進法に基づき、過労死等の防止を効果的に推進するために政府の重点対策や数値目標などをまとめたもの。平成27年7月に閣議決定されたが、おおむね3年後を目途に必要に応じて見直すとされていた。

論点とされた勤務間インターバル制度は、前日の終業と翌日の始業の間に連続した休息時間を確保する制度で、過労死等の防止に極めて有効とされる。だが、実際に導入している企業は平成29年時点で1.4%にとどまり、制度を導入していない企業の約4割が「制度を知らなかった」と回答しているのが現状だ。そこで改定案では、①制度を知らない企業を大幅に減らす目標と、②制度の導入企業割合を増やす目標を具体的な数値を示さず論点として提示し、協議会に意見を求めた。協議会では、制度の推進を数値目標に盛り込むこと自体に異論は出なかったが、まずは制度の周知啓発を優先すべきだと使用者側委員が主張し、導入企業割合を数値目標とすることには慎重な姿勢を示した。

このほか労働時間の数値目標に関しては、週60時間以上の雇用者割合を2020年(平成32年)までに5%以下と設定。目標の数値自体は現状と変わらないが、特に長時間労働が懸念されるフルタイム労働者に対する取り組みを推進すべきと注記した。年次有給休暇の取得に関しても、取得率70%以上とする目標自体は据え置くものの、取得日数が0日の者の解消に向けた取り組みを強調した。一方、メンタルヘルス対策については、2022年(平成34年)までに対策に取り組む事業場割合を80%以上とするほか、仕事上の不安、悩み、ストレスについて相談先のある労働者割合を90%以上とする、ストレスチェックの結果を集団分析し、それを活用した事業場割合を60%以上とする目標を設定。いずれも第13次労働災害防止計画に盛り込まれた目標をそのまま適用する方針だ。

 

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