年金時代

公的年金 年金の損害賠償の調整について事務の取り扱いを変更

消滅時効の起算点の変更

厚生労働省は11月21日、「厚生年金保険法及び国民年金法に基づく給付と損害賠償額との調整の取扱いについて」の一部改正について通知を発出した。交通事故など第三者の行為が原因となって遺族年金や障害年金が支給される場合で被害者が損害賠償を受けたときは年金が支給停止となる。ただ、被害者が損害賠償を受けるまでには相当時間がかかるため、受給者の生活保障という観点からその間は先行して年金を支給し、後から内払いによる返還などの調整を行っている。この場合の消滅時効の起算点は、損害賠償を受けたことを知った日(損害賠償の受領日が分かる書類等を受け付けた日等)の翌日としていたが、今回この解釈を改め、「損害賠償を受けた日の翌日」とした。

会計検査院の指摘を受け、事務処理要領を改正

年金を支給停止するためには、受給者が年金請求時に事故の相手方や事故の状況について申告する「第三者行為事故状況届」を日本年金機構に提出する。機構は損害賠償や慰謝料、医療費等の実支出額を把握するため、第三者行為事故状況届を受け付けた約6ヵ月後に受給者に照会を行い、関係書類の提出を求めているが、未提出により手続に時間がかかるほか、督促を行っても本人からの回答がなく事務が進んでいないケースがある。この点について会計検査院が平成29年度決算検査報告の中で具体的な手続を事務処理要領に定めて関係部局に周知徹底することを指摘した。また、受給権者が第三者行為事故状況届と合わせて損害保険会社等への支払照会に必要な同意書を提出することのほか、医療費等の実支出額については受給権者から回答がなかった場合にはそれはなかったものとして処理を進めることも指摘。機構はこれらの指摘に沿って事務処理要領を見直すこととしている。

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