年金時代

【年金数理部会】ピアレビューの意義と役割などについて意見交換

坂本純一氏が国際アクチュアリー会の実務基準を紹介

厚生労働省の社会保障審議会年金数理部会(部会長=菊池馨実・早稲田大学法学学術院教授)は11月30日、平成31年の財政検証を受けて行う検証(ピアレビュー)などについて、坂本純一・JSアクチュアリー事務所代表の基調講演を踏まえたうえで意見交換を行った。坂本氏の講演は、「社会保障アクチュアリーの実務に関する国際動向」と題したもので、各国のアクチュアリー会の連合体である国際アクチュアリー会が社会保障アクチュアリーの実務基準を作成しており、その内容を紹介。国際アクチュアリー会の実務基準(international standard of actuarial practice:ISAP)のうち、ISAP2と呼ばれるものが社会保障の実務基準となっている。適切な実務を行うために、設定する前提は中立的でなくてはならないことや過去のデータをよく分析してから設定することなどが定められているほか、外部専門家によるレビューを受ける場合の内容や要件も設けられている。また、数理レポートによる情報の伝達を行う際、その内容や結果の提示方法などが示されており、データの十分性や信頼性といったアクチュアリーが述べなければいけない所見の内容も指定されている。坂本氏は「日本の数理レポートに対してアクチュアリーが所見を述べることはないものの、年金数理部会において年金局が所見を述べる機会が認められているため、それがアクチュアリーの所見に代わると思う」と述べた。このほか、カナダをはじめとするG7諸国の数理レポートを紹介するとともに、数理部会の役割には①財政検証における財政分析がおおむね合理的なものとなっているかの検証②不明瞭な点を明らかにする③掘り下げの足りない点を指摘する④誤りを指摘する⑤開示の足りない点を指摘する――ことがあるとした。

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