年金時代

公的年金 働き方の多様化踏まえ被用者保険の適用拡大等を検討

厚生労働省は12月18日、働き方の多様化を踏まえた社会保険の対応に関する懇談会の初会合を開催した。短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大に伴う要件や適用事業所の範囲の見直しのほか、働き方の多様化を見込んだ社会保険適用における課題などを検討する。検討にあたっては被用者保険の適用範囲の見直しによる事業者負担、医療保険者に与える影響も踏まえる考え。懇談会の取りまとめは社会保障審議会年金部会等に報告し、来年5月の財政検証を踏まえた年金制度改革に反映する方針だ。

懇談会は労使の構成員のほか、自治体、健保などの医療関係者、学識者、社労士等で構成。座長には遠藤久夫国立社会保障・人口問題研究所長が就任した。

短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大は、2019年9月末までにさらなる適用拡大を検討することが法律で規定されている。現状は週所定労働時間30時間以上(一般社員の4分の3以上)が要件だが、2016年10月から従業員501人以上の企業等に限り、週20時間以上、月額賃金8.8万円以上などと要件を緩和。2017年4月には500人以下の企業等も、労使合意に基づき任意適用とした。

一方、被用者保険の適用事業所に関しては、常時1人以上使用される者がいる法人は強制適用となり、個人事業所は常時5人以上の者を使用し、法定16業種に該当することが適用要件だ。だが、法定業種は昭和28年以降改正されておらず、適用事業所の範囲の見直しも検討する。

働き方の多様化に関しては、副業・兼業による複数就業者への適用要件が論点の一つ。現状は事業所ごとに適用要件を判断するので、週20時間を下回る労働時間で複数就業している者は適用されない。また、フリーランスなど雇用類似で働く者の社会保険適用も検討する。

こうした論点に対し、連合などの労働者側の構成員は適用拡大を積極的に支持。保険料負担が増える使用者側は、日本商工会議所、全国中小企業団体中央会など中小企業代表の構成員を中心に慎重な意見が目立った。他方、自治体代表の構成員は、適用拡大で将来の低年金者が減り、生活保護の受給者減が見込めるなどのメリットがある反面、国保の保険者の立場としては、被保険者が被用者保険に移行することによる財政への影響を懸念。同じく医療保険への財政影響を懸念する観点から、健保と年金を同じ要件で適用拡大することの是非を問う意見も出た。

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