年金時代

公的年金 総務省が年金業務の運営に関する行政評価・監視結果に基づき厚生労働省に勧告

総務省は昨年12月25日、年金業務の運営に関する行政評価・監視結果に基づく勧告を厚生労働省に対して行った。勧告の背景として総務省は、①厚生労働大臣が定めた平成30年度末までの中期目標では中期目標期間中に保険料の現年度納付率を60%台半ばにすることを目指すとされ、さまざまな取り組みにより改善傾向にあるものの、さらなる納付率向上を図るため、現状では実施が低調な取り組みについても積極的に実施していく必要がある②無年金者・低年金者の発生を抑止するため、保険料の納付義務を免除・猶予された期間がある場合には、追納制度が設けられているが、その利用状況等が明らかになっていない③年金業務に対する国民の信頼回復の観点から、正確な事務処理、国民の視点に立ったサービスの向上が求められているが、総務省の行政相談に国民年金業務の運営に係る苦情等が寄せられている――ことを挙げている。

①について総務省の調査では、戸別訪問など20歳到達者の国民年金の資格取得に係る届出を促すための業務の効果が十分に上がっておらず、届出勧奨、資格取得処理・職権適用、年金手帳送付、納付書送付など年金事務所の業務負担が大きいことがわかった。また、納付率向上のため各種の収納対策はおおむね着実に実施され、納付率は上昇傾向にある一方で、納付率の向上に有効な口座振替を促進する取り組みについては、効果が十分に上がっていないことが明らかとなった。そのため、20歳到達者については現在の適用のしくみ等を早期に見直すほか、口座振替の利用促進を図る取り組みを強化することを勧告した。

②については、自治体から所得情報や生活保護情報などを的確に得られなかったことにより保険料免除が承認されなかった事例や、免除勧奨・職権処理が実施できていない事例があることが調査でわかった。また、追納は納付義務のない保険料を納める任意の制度であるとして、追納勧奨が積極的に行われておらず、中期目標でも目標等を明示していないと指摘。そのため総務省は、的確な情報に基づいて免除審査等を実施することや、追納制度の利用促進に係る目標を設定することを勧告した。

③についての調査では、事務処理誤り発生件数は全体として減少傾向にあるものの、事務処理誤り発生後の処理が長期になっている事例があることがわかった。また、平成25年に全国の受給権者の生存確認等調査を実施して以来、同様の調査を実施していないことなど、所在不明となった者を的確に把握できていないと指摘。さらに、一度提出済みの書類の添付をその後も義務づけているほか、納付順を誤った追納が一律に還付されているなど、国民の視点に立ったサービスとなっていない事例があった。総務省は、事務処理誤り発生後の処理の迅速化や所在不明者の的確な把握、添付書類の見直し、追納処理の弾力化等を勧告した。

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