年金時代

厚生労働 雇用保険等の追加給付で平成31年度予算案を変更

政府は118日、毎月勤労統計の不適切調査により給付額に影響が生じていた雇用保険、労災保険等の追加給付を実施するため、昨年1221日に閣議決定した平成31年度予算案を変更した。追加給付の予算は事務費も含めて約795億円。内訳は、雇用保険が約472億円、労災保険が約264億円、船員保険が約18億円、雇用調整助成金などの事業主向け助成金が約41億円となる。大半は労働保険特別会計に計上されるが、雇用保険の失業等給付には国庫負担がある。その分は一般会計から充てる必要があるため、新たな厚生労働省予算案(一般会計)は32358億円となり、当初の予算案(32351億円)から約6.4億円増える。

雇用保険等の給付等は、毎月勤労統計調査における平均給与額の変動を基礎としてスライド率等を算定している。だが、同調査が全数調査すべき東京都の「500人以上規模の事業所」に対する調査を3分の1程度の抽出調査として実施し、かつ抽出率の復元も行っていなかったことから、本来の調査結果より賃金額が低めに算出されていたことがわかった。このため、厚生労働省は111日、本来額より少なく給付された者を対象に、影響の生じた平成16年以降に遡って追加給付する方針を示していた。

雇用保険に関して追加給付の対象となる可能性があるのは、平成16年8月以降に基本手当、高年齢求職者給付、再就職手当、高年齢雇用継続給付、育児休業給付、介護休業給付などの給付を受けた者。追加給付額は、一つの受給期間を通じて1人当たり平均1,400円程度と推計されている。

労災保険に関して追加給付の対象となる可能性があるのは、平成16年7月以降に傷病(補償)年金、障害(補償)年金、遺族(補償)年金、休業(補償)給付などの給付を受けた者。追加給付額は、年金給付が平均約9万円、休業(補償)給付は1月平均約300円と推計されている。

このほか、船員保険の障害年金、遺族年金を受けた者、さらに事業主向けの雇用調整助成金では、対象となった休業等期間の初日が平成16年8月から平成23年7月の間、または平成26年8月以降であった事業主には、追加給付の対象となる可能性がある。

追加給付の時期に関して同省は、システム改修や住所等の確認など正確な支給のための最低限の準備を経て速やかに実施するとしている。ただ、転居等により住所が不明となった受給者や事業主に対しては、記者発表やホームページ等で追加給付の可能性がある給付の種類や受給時期等を示し、本人からの申出を呼びかける考えだ。

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