年金時代

雇用労働 労災保険の介護補償給付、実態に即して最高限度額等を改定

厚生労働省の労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会は3月11日、労災保険の介護補償給付及び介護給付の最高限度額・最低保障額を改定する「労働者災害補償保険法施行規則等の一部を改正する省令案要綱」を妥当と認め、労政審の答申とした。平成31年4月から常時介護を要する者の最高限度額は16万5,150円(現行10万5,290円)、最低保障額は7万790円(同5万7,190円)にそれぞれ引き上げる。随時介護を要する者の最高限度額も、8万2,580円(同5万2,650円)、最低保障額は3万5,400円(同2万8,600円)とする。同省が平成29年に実施した実態調査によると、常時介護を要する者の約4割が現行の最高限度額で介護費用をまかなえないことが判明したことから、実態に即した給付とするため、参考となる指標を見直し、大幅な引き上げとした。

労災保険の介護補償給付及び介護給付は、労働災害または通勤中の負傷等により障害を負い、介護を要する状態となった労働者に対し、介護に要した費用を補填するために支給する制度。一定の障害の程度のほか、病院等や介護保険施設等に入院・入所しておらず、在宅で介護を受けていること等が支給要件となる。介護保険サービスを利用する場合は、労災保険の給付が優先して支給されるが、最高限度額を超えてサービスを利用する場合は、超えたサービスにかかる費用の原則9割が介護保険から支給され、1割の自己負担が発生するしくみだ。

これまで最高限度額については介護費用の実費補填という観点から、「臨時職員を採用する際の政府統一単価」を参考に算定し、最低保障額については、被災労働者が介護を要する状態にならなければ親族等が獲得できた賃金の保護という観点から、「女性のパート労働者の平均賃金」を参考に算定し、それぞれ人事院勧告に基づく国家公務員給与のベア率の変動に応じて改定されてきた。だが、現行の給付額では受給者の多くが介護費用をまかなえていない実態を踏まえ、最高限度額は参考にする指標を「特別養護老人ホームの介護職員の平均基本給」に、最低保障額は「最低賃金の全国加重平均」にそれぞれ見直し、額を引き上げることとした。

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