年金時代

公的年金 被用者保険の適用拡大が従業員採用に好影響――企業アンケート調査

厚生労働省は4月16日、被用者保険の適用拡大に関する企業アンケート調査結果を「働き方の多様化を踏まえた社会保険の対応に関する懇談会」(座長=遠藤久夫・国立社会保障・人口問題研究所長)に報告した。調査は今年2月から3月にかけて2016年10月に適用拡大された501人以上の大企業49社と、2017年4月以降労使合意に基づき適用拡大を実施した中小企業280社を対象に実施し、回答数は大企業が28社(回収率57%)、中小企業が134社(回収率48%)。企業からは社会保険料負担による人件費増、加入を望まない短時間労働者の就業調整等による労働力不足などの影響が指摘された一方で、従業員に喜ばれているなどと評価する意見も多かった。

具体的に見ていくと、労使合意に基づき適用した企業は、任意で加入した経緯もあり、おおむね前向きな意見が多い。従業員の採用に好影響を与えている例や、所得等の要件を気にせずに働いてもらえるなどのメリットが報告された。一方で、強制適用とされた大企業に関しては保険料負担増や就業調整等による代替人員の確保など対応に苦慮した例も目立った。また、同じ働き方であっても企業規模によって社会保険の加入基準が異なることに関しては、それを理由とする転職者がいることや、グループ企業間で不公平感が生じることなどが指摘された。

懇談会では今後、こうした企業アンケート結果や関係団体へのヒアリング結果などを踏まえ、これまでの適用拡大に対する評価、さらなる適用拡大の必要性、留意点などを検討していく。

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