年金時代

雇用労働 最低賃金の引き上げで約4割の中小企業が対応――日商調査

日本商工会議所と東京商工会議所(三村明夫会頭)は5月28日、最低賃金の引き上げの影響に関する調査結果を公表した。それによると、平成30年度に従業員の賃金が最低賃金を下回ったため、賃金を引き上げた中小企業は前年から5.4ポイント上昇し、約4割(38.4%)となることがわかった。業種別では、「宿泊・飲食業」(55.1%)、「介護・看護」(49.0%)、「運輸業」(45.0%)などで賃金を引き上げた割合が高くなっている。

調査は今年3月から4月にかけて、全国の中小企業4,125社を対象に商工会議所職員による訪問調査を実施し、回答企業数は2,775社(回答率67.3%)。なお、平成30年度の地域別最低賃金は、各都道府県で10月頃に前年から24円~27円増加し、全国加重平均は同26円増の874円、最も高い東京は同27円増の985円となっている。

最低賃金の引き上げにより約4割の中小企業が賃上げをした一方で、さらなる最低賃金の引き上げが中小企業に与える影響や対応策についても調査された。それによると、仮に令和元年度の最低賃金が30円引き上げられた場合、影響があると回答した中小企業は約6割(58.7%)。賃上げには原資が必要となるが、その対応策としては「設備投資の抑制等」と回答する中小企業が40.2%と最も多く、「正社員の残業時間を削減する」(27.8%)、「一時金を削減する」(23.0%)などの回答が続いた(複数回答)。

こうした結果を受けて日本・東京商工会議所は、最低賃金の大幅な上昇は、設備投資による生産性向上の阻害要因になるのに加え、賃金増には必ずしも直結しないなどと指摘。足元の景況感や経済情勢、中小企業の経営実態を考慮することなく、政府が3%をさらに上回る引き上げ目標を設定することには強く反対すると要望した。

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