年金時代

雇用労働 副業時の労働時間通算、割増賃金適用は見直す方向で一致

厚生労働省の副業・兼業の場合の労働時間管理の在り方に関する検討会(座長=守島基博・学習院大学経済学部経営学科教授)は6月4日、これまでの議論を踏まえ、労働時間管理のあり方等に関して論点整理を行った。副業・兼業を推進する立場から、割増賃金の適用については、異なる事業主の下の労働時間を通算する現行のしくみを見直す方向で意見が概ね一致した。

現行制度においては、1日に6時間労働させた労働者が、他社でも3時間働いていた場合は、異なる事業主に雇用される労働時間は通算されるため1日9時間労働となり、その労働者と時間的に後で労働契約を締結した事業主(企業)に1時間分の割増賃金を支払う義務が生じる。だが、他社の労働時間を把握することは当該労働者の自己申告以外にほぼ手段がなく、自己申告による他社の労働時間に基づき割増賃金を支払うのは企業側の納得感、あるいは割増賃金を計算する実務上も不都合が大きい。また、割増賃金の有する長時間労働の抑制という性質も企業が異なるのでは機能しづらいことから、見直しが必要だとする意見が多勢を占めた。ただ、割増賃金の適用にかかる労働時間の通算を見直す場合は、形式的に使用者を分けて複数の異なる労働契約を締結させること等により、割増賃金の適用を逃れることが考えられるため、そうした法の潜脱行為の防止策を検討する必要性もあわせて指摘された。

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