年金時代

対談 日本年金機構10年のあゆみを振り返るー模索と基盤づくり、そして再生への途ー

課題と展望
ICTの活用で事務処理を効率化

山崎 最後になりますが、年金機構の今後の課題と展望についてお話ししてください。

薄井 第1期、第2期の中期計画を通じて、まだまだ課題はいっぱいありますけれど、前向きに進んでいることは間違いないと思います。冒頭で、10年前と様変わりですねと言われて、私はそのとおりだと思いました。年金事務所の対応が丁寧になったということだけでなくて、事務処理誤りにしても、皆それをミニマイズしていくという努力をしています。そういう意味で、業務のうえでの効果というのは着実に出てきていると思います。
ブロック本部の廃止が行われましたが、最近では人事においてもかなり拠点(年金事務所・事務センター)を重視する傾向が強くなったように思います。ブロック本部がなくなったから、それだけ各県の代表事務所などの位置付けが重くなりますけれども、人事面でもそういう拠点重視の考え方が最近かなり強く見られるようです。たとえば本部の部長経験者が大きな年金事務所長になるというように。
先ほど再生プロジェクトの話が出ましたけれど、再生プロジェクトを踏まえた取組みというのは、これまでかなり進んできているのではないかと思います。いまや第3期中期計画期間に入ったわけですが、平成31年4月から令和6年までですね。やはりICTの発展とかそういうものに対応して事務の効率化を図っていくことが極めて重要だろうと思います。年金機構の非常勤理事をされた方がよく言っていましたが、事務処理誤りというのは、入力するから起こることなのだというのです。入力しないで、電子媒体申請、さらに進んで電子申請によって送られてきたものをそのまま記録に移せば、少なくとも入力誤りはなくなります。
結局、公的年金の仕事は、国民にとって不可欠だし、水島理事長がよく言われますが、年金機構はほかに代わってやってくれるところがない唯一無二の機関です。それだけに自信と責任感をもって仕事をしなければいけません。いまやってることを守ればいいというのではなくて、守るべきところはきちんと守りながら、変えるべきところは変えていくということが期待されていると思います。私が年金機構にいたときによく使っていた言葉ですが、身過ぎ世過ぎのためだけの仕事ということではいけないということです。働いて給料をもらうというだけでなく、働いていることに意義があるのだという自覚をもって仕事に取り組まなければいけないと思います。われわれは大事な仕事をしてるのだということを自信をもって言えるようにです。無謬ではなく誤りを犯すこともあるということを意識しながらも、自信をもって仕事してほしいと思います。

山崎 それはそうなってほしいですね。やりがいのある誇りをもってよい仕事だと思います。生活の安心を保証してくれる仕事ですからね。

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