年金時代

年金局長に高橋俊之氏が就任

7月9日付で発令された厚生労働省の幹部人事異動により、年金局長に高橋俊之・大臣官房年金管理審議官が就任し、会見を開いた。今夏に公表予定の財政検証結果については「鋭意作業中」としながらも、9月には年金部会で制度改正に向けた議論を開始し、来年の通常国会への法案提出をめざしていると述べた。また、10月からスタートする年金生活者支援給付金も円滑に進めたい意向を示した。

高橋年金局長

就任の抱負

社会保険庁や内閣府、厚生労働省の雇用均等・児童家庭局(現・子ども家庭局)、老健局を経て年金管理審議官を2年務めてきた。厚生労働省の外や厚生労働省内のほかの部局から社会保障を見た経験により、幅広い視点を培ってきた。それを年金制度の議論にも活かしていきたい。年金管理審議官から年金局長に就任する例はいままでにないことだが、年金制度の立案や運営では事業運営の経験を活かしていきたい。

年金は経済・社会そのものであり、経済や社会をよくすることで年金も持続可能で充実したものになっていく。また、年金を安定したものにすることで経済や社会もよくなっていくと考えている。被保険者、年金受給者一人ひとりの仕事や家庭、健康、収入、資産などはさまざまだと思うが、そのさまざまな暮らしに思いを致しながら、制度の立案や運営を図っていきたい。

令和元年度財政検証について

財政検証については鋭意作業中だ。現時点(会見当時)でも計算している最中だ。どうすれば公表用の資料がわかりやすくなるかなども検討している。出来次第公表し、秋に制度改正の議論をする。来年の通常国会の法案提出に向けて検討を進めていく。

財政検証は、制度改正の検討に役立てるためのオプション試算も含めて完成すると考えている。財政検証本体はいくつかの経済前提のケースを設定してそれぞれ100年分の財政収支の見通しを計算し、それによってマクロ経済スライドの調整終了時期などを明らかにするものだが、それだけではなく、いくつかのオプション試算をわかりやすく示すことによって、今後の年金制度の議論に役立てることが大事だと思う。

ただし、オプション試算は制度改正の内容を示すものではない。制度改正の中身そのものはさまざまな論点があるが、オプション試算はそのなかの一つの視点として役立つようなものだと考えている。例えば、適用拡大をした場合や長期間働いて長期間保険料を拠出した場合、あるいは繰下げ受給をした場合にどうなるかといったことを試算して数字で示すということだ。オプション試算が制度改正に直結するようなものではなく、オプション試算を見ると制度改正の内容が透けて見えるわけではない。あくまでも議論の基礎的な材料になるものだと思う。

年金時代