年金時代

年金局長に高橋俊之氏が就任

公的年金、私的年金の制度改正の議論の進め方について

年金部会では基礎的な議論を一巡したところだ。財政検証を公表し、9月から年金部会でも議論を始めて年末までには取りまとめをする。また、働き方の多様化を踏まえた社会保険の対応に関する懇談会では、適用拡大についての論点を早めに整理して年金部会の議論に役立てることにしている。企業年金・個人年金部会でも基礎的な議論を一通り行った。次回から制度改正や運用の改善に向けて具体的な議論をすることになると思う。

年金受給開始時期の範囲を拡大することや、在職老齢年金のあり方、被用者保険の適用拡大といった今回の制度改正の議論は、年金機能強化法やプログラム法、改革行程表、骨太の方針で示されていた論点だ。こうした論点を中心に、制度改正の具体案を年金部会や企業年金・個人年金部会、与党において議論し、年末までに具体案をまとめる。ほかにも業務の改善に役立つのに必要なものがあれば制度改正の検討をしたい。

公的年金・私的年金を合わせた老後の所得保障のあり方について

高齢期の生活は、高齢期の収入や資産、本人が望ましいと考える生活水準などさまざま。公的年金も人によって加入してきた制度や納めてきた保険料などによって給付額がさまざまなのが実情だ。そういう意味では、平均値でものを語ってはいけない。さまざまなあり方をしている人たちに十分に思いを致しながら考えていく必要があると思う。

そのうえで引き続き公的年金は老後の生活の基本を支える重要な機能を果たしていくものだと考えている。公的年金はどのくらい長生きするかわからないという不安にも対応できるしくみ。そのため、公的年金の機能をしっかり確保していくことが大事だ。それに合わせて、企業年金の普及やiDeCoなど個人の資産形成の支援を行う。これは多様なニーズに対応していくという文脈のなかで進めていく必要があると思う。

公的年金と私的年金の関係については、マクロ経済スライドにより、公的年金の給付が調整された部分を私的年金が補填するものだとはあまり思っておらず、切り離して考えている。公的年金の設計は、平成16年改正の財政フレームのなかでできるだけ持続可能にし、将来の保険料が上がりすぎないようにしつつ、将来の年金水準もあまり低下しないように現在の年金から徐々に調整していくというものだ。

年金の水準は人によって異なるが、私的年金の対象になるかどうかも人による。すべての人に企業年金があるわけではないし、iDeCoなどの個人年金も加入できる人もいれば加入する余力がない人もいる。そこは分けて考えて、3階部分としての企業年金・個人年金を充実させていくことが重要だ。

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