年金時代

社会保険 被用者保険の適用拡大で議論を整理、年金部会に報告へ

厚生労働省は9月2日、働き方の多様化を踏まえた社会保険の対応に関する懇談会(座長=遠藤久夫・国立社会保障・人口問題研究所長)を開催し、被用者保険の適用拡大や適用事業所の範囲の見直し等に関して、これまでの議論の整理を提示した。同省はこの日の審議を踏まえ、月内に開催される予定の次回会合で報告書案を取りまとめる考え。懇談会の報告書は社会保障審議会年金部会に報告され、制度改正に向けた審議に反映していく方針だ。

議論の整理では、被用者保険の適用拡大に関して、「被用者として働く者は被用者保険に加入する」という基本的な考え方を示す一方で、具体的な適用拡大の進め方については、新たな社会保険料負担が生じることによる企業経営への影響等に留意し、丁寧な検討を求めるとした。また、適用拡大によって加入者の増加が見込まれる健康保険に関しても、保険財政に及ぼす影響について適切な試算を行った上で、所要の対応策を講じる必要性を指摘した。

被用者保険の適用要件に関しては、見直しに向けた検討の必要性を個別に強弱をつけて言及。このうち、従業員数501人以上とされる企業規模要件については、同じ働き方をしても所属する企業の規模の違いによって社会保険適用の有無が異なることは働く人にとって不合理であり、また法的に経過措置の位置づけであることなどから、なくしていく方向で検討すべきとする意見が多数を占めた。

他方、被用者保険の適用事業所の範囲に関しては、任意包括適用の要件の1つとされる法定16業種以外の非適用業種や従業員5人要件などについて、被用者に相応しい保障を確保する観点から、制度創設時の考え方や現状の実態などを踏まえて、見直しを検討する方向で一致した。

年金時代