年金時代

雇用労働 雇用保険改正議論開始、保険料率引き下げ措置延長等が論点

厚生労働省は9月4日、労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会(部会長=阿部正浩・中央大学経済学部教授)を開催し、雇用保険制度改正の議論を開始した。今年度末で期限の切れる保険料率・国庫負担率引き下げの暫定措置の延長や、複数の事業所に雇用されて働くマルチジョブホルダーへの対応、基本手当のあり方などが主な論点。高年齢者の継続雇用や年金制度の見直しの議論展開によっては、高年齢雇用継続給付の見直しなども論点となり得る。同省は年内を目途に部会の議論を取りまとめ、来年の通常国会に雇用保険法の改正法案を提出する方針だ。

失業等給付にかかる保険料率は平成29年度から0.8%を0.6%に、同じく国庫負担率は本則の10%(2.5%)まで暫定的に引き下げられている。こうした措置は今年度末に3年間の期限を迎えるが、政府は6月に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2019」(骨太の方針)において、今年10月の消費税率引き上げ後の国民の所得環境への配意や、4兆円を超える雇用保険の積立金の積極的な活用などの観点から、暫定措置の継続等について検討を求めていた。

だが、労使ともに保険料が原資である積立金の活用より、国庫負担率を本則(25%)に戻すことが先だという見解で一致しており、暫定措置の延長には慎重だ。平成29年の雇用保険法等の一部を改正する法律においても、衆参両院の厚生労働委員会から「厳に平成31年度までの3年間に限った措置」とする附帯決議が出されていた。

他方、マルチジョブホルダーの対応に関しては、複数の事業所で雇用されて、単独の事業所では雇用保険に加入できない労働者に対する雇用保険の適用を議論する。昨年10月に厚生労働省の検討会が報告書をまとめているが、制度設計上の課題も多く、議論は難航が予想される。

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