年金時代

オプション試算はさらなる適用拡大と保険料拠出期間の延長・受給開始時期の選択――2019年財政検証

経済成長と労働参加が水準確保のカギ

2019年財政検証結果を見ると、経済成長と労働参加が進むケース(ケースⅠ~Ⅲ)では、マクロ経済スライドによる給付水準調整後も所得代替率は50%以上確保できる見通しとなった(図表3参照)。ケースⅠでは調整終了年度が2046年度となり、所得代替率は51.9%。ケースⅡではケースⅠと同じく調整終了年度が2046年度となり、所得代替率は51.6%。ケースⅢでは調整終了年度が2047年度となり、所得代替率は50.8%となった。

一方、経済成長と労働参加が一定程度進むケースⅣではマクロ経済スライドによる調整で2044年度に所得代替率50%に到達する。仮にその後も機械的にマクロ経済スライドの適用を続けた場合、基礎年金で2053年度、厚生年金で2030年度に調整が終了し、所得代替率は46.5%になる。

同様にケースⅤも2043年度に所得代替率が50%に達し、そのまま調整を続けた場合、基礎年金で2058年度、厚生年金で2032年度に調整が終了し、所得代替率は44.5%になる。

経済成長と労働参加が進まないケースⅥでは2043年度に所得代替率が50%に到達し、その後も機械的に給付水準調整を続けたとしても国民年金は2052年に積立金がなくなり、完全な賦課方式に移行する。その後、保険料と国庫負担で賄うことができる給付水準は所得代替率38%~36%程度になる。

なお、今回の財政検証では、次の財政検証となる5年後の2024年度の所得代替率が60.9%~60.0%(ケースⅠ~ケースⅥ)であることが示され、いずれのケースにおいても50%以上確保されることが確認された。

厚労省は、経済成長と労働参加が年金の水準確保のためにも重要としている。

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