年金時代

オプション試算はさらなる適用拡大と保険料拠出期間の延長・受給開始時期の選択――2019年財政検証

保険料拠出期間の延長と受給開始時期の選択

オプションB‐①は、基礎年金の拠出期間を現行の20~60歳から、20~65歳の45年に延長し、納付年数が延びた分にあわせて基礎年金が増額するしくみに変更した場合だ。試算上、2026年度より納付年数の上限を3年ごとに1年延長した場合として試算している(図表5参照)。

オプションB‐②は、65歳以上の在職老齢年金を見直した場合だ。試算上、2026年度より見直しを行った場合として試算しているが、現行制度の基礎年金加入期間40年を基礎として、65歳以上の在老を緩和・撤廃すると、厚生年金の給付の増加により報酬比例の所得代替率は低下し、基礎年金への影響はないことがわかった。

オプションB‐③は、厚生年金の加入年齢の上限を現行の70歳から75歳に延長した場合を試算。2026年度より基礎年金加入期間40年の現行制度を基礎として厚生年金の加入年齢の上限を現行の70歳から75歳に延長すると、厚生年金の財政状況の改善により、報酬比例の所得代替率が上昇する試算となった。

オプションB‐④は、繰下げ受給の時期を75歳まで拡大し、65歳・70歳・75歳まで働いて繰り下げ受給を選択すると給付水準がどれだけ上昇するかを試算。マクロ経済スライドによる給付水準の調整が終了した後の所得代替率は、退職年齢と受給開始が遅くなるほど給付水準が上がることがわかった。

オプションB‐⑤は、オプションB‐④にオプションB‐①~③を加味したうえで加入期間と繰下げ時期を75歳まで拡大し、65歳・70歳・75歳まで働いて厚生年金に加入した場合を試算した。その結果、マクロ経済スライドによる給付水準の調整が終了した後の所得代替率は、75歳まで働いて受給を開始した場合、ケースⅠで114.3%、ケースⅢで111.9%、ケースⅤで99.1%となった。

オプションBの試算結果からは、保険料の拠出期間を延長する制度改正や、年金を繰下げて受給することが給付水準を確保するのに効果的であることが示された。

年金部会では、財政検証とオプション試算の結果等を踏まえて次回以降、年金制度改正に向けた議論に入っていくこととなる。

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